研究課題/領域番号 |
19H03500
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
中村 佐千枝 (平塚佐千枝) 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (60313087)
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研究分担者 |
富田 毅 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (20302242)
加藤 真良 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (70402104)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | がんの転移 / 抗転移細胞 / 転移前ソイル / NK細胞 / 疲弊回復 / 抗転移 / 転移前土壌 / 組織特異的 |
研究開始時の研究の概要 |
癌が原発巣から転移する際には、実際の転移が起きる前に、転移先の臓器において癌細胞の生着を有利にする“転移前土壌”と呼ばれる状態が形成される。これまでの研究から、この転移前土壌を消去することが癌転移の抑制には重要であることがわかってきた。近年、申請者らは、一群のNK様細胞が転移前土壌を解消し転移を抑制する抗転移細胞であることを突き止めた。本研究では、抗転移細胞が転移前土壌を解消する分子メカニズムを徹底的に解明するとともに、細胞の機能が原発癌の進行とともに失われるのはなぜか、抗転移能を回復させることはできないかどうかを動物モデル・細胞生物学・生物化学の複合的観点から明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
癌が原発巣から転移する際には、転移が起きる前に、転移先の臓器において癌細胞の生着を有利にする“転移前ソイル”が形成されるため、このソイルを消去することが癌転移の抑制には重要である。抗転移細胞として、特殊なNK(ナチュラルキラー)細胞は、肝臓で教育され、肺のソイルで機能する。しかしながら、この細胞群は原発癌の進行に伴い、その能力が消失することが示唆されている。今回の研究で、抗転移細胞の疲弊のメカニズムを解明し、中心となる分子を抑制することで、疲弊を回復することが可能になった。結果としてマウスのレベルで、転移は抑制された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌の転移抑制は難しく、このステップに関与する癌の側、宿主側の要素は多数分かっているが、転移を特異的に抑制できる方法は確立されていない。この度の抗転移ナチュラルキラー細胞は、転移する前、あるいは早期の微小転移の段階で機能を発揮する細胞で、マウスで発見されたものである。原発の癌がだんだん大きくなるにつれ、転移を抑制すべき臓器の場所に移動できなくなり、免疫細胞の疲弊(疲れ)がおきることも分かってきた。今回の研究で、この疲弊を回復することが可能になり、転移に特異的な抑制を行える可能性がある。
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