研究課題/領域番号 |
19H03501
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
北川 雅敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50294971)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 長鎖ノンコーディングRNA / エピゲノム因子 / 転写制御 / ヒストン脱メチル化 / シグナル伝達 / 遺伝子発現 / エピゲノム / 細胞運命 / 長鎖ncRNA / ヒストンメチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞運命決定と運命転換後の状態の維持には、それを指示するシグナル伝達機構とエピジェネティックな機構の連結が必須であるが、不明な点が多い。我々は、がん細胞運命シグナルの一つであるTGF-betaシグナリングに注目し、その制御に機能する長鎖ノンコーディングRNA (lncRNA)を同定、機能解析している。本研究では特に転写活性化の促進/維持に機能するH3K27の脱メチル化にフォーカスし、その脱メチル化酵素であるKDM6A/Bと結合するlncRNAの同定と、そのlncRNAに結合する転写因子およびリンクするシグナル伝達経路を明らかにし、がん細胞運命制御における機能に迫る。
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研究成果の概要 |
我々はTGFβで誘導され上皮間葉転換(EMT)に関与する新規長鎖ncRNA(lncRNA)としてELIT-1を見出した。ELIT-1はTGFβ-Smad経路を介して転写誘導される。ELIT-1はSmadと結合し、Snail、N-cadherin、等のEMT関連遺伝子の転写を促進し、EMTを正に制御する。さらに本研究によりELIT-1はあるH3K27脱メチル化酵素(KDM-Xとする)と結合することが証明された。ELIT-1は標的遺伝子のプロモーターへのKDM-XのリクルートをSmad3依存的に促進することにより標的遺伝子のH3K27脱メチル化を促進し、遺伝子発現を助けることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究で、ヒストン脱メチル化を含むエピゲノム修飾によるクロマチン構造制御が遺伝子の発現制御に極めて重要であることは周知の事実である。しかしながらエピゲノム因子はDNA結合能を持たず、どのようなメカニズムで遺伝子特異的なエピゲノム修飾を実行するのかは不明な点が多かった。本研究により、lncRNAが転写因子とエピゲノム因子と結合して、転写因子依存的に標的遺伝子のプロモーターへエピゲノム因子を運ぶ機能をしていることが示唆された。
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