研究課題/領域番号 |
19H03513
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田村 磨聖 大阪大学, 核物理研究センター, 特任講師(常勤) (20747109)
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研究分担者 |
渡部 直史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90648932)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | ホウ素中性子捕捉療法 / BNCT / 窒化ホウ素ナノ粒子 / がん / 窒化ホウ素 / ナノ粒子 / ホウ素中性子補足療法 |
研究開始時の研究の概要 |
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、日本が世界をリードするがんの放射線治療である。臨床研究が進み、実用まで秒読みの段階に来ているものの、基礎研究のデータは不足している。本研究では、ホウ素の細胞内分布とBNCTの治療効果の関連を検証する。一定の体積および高いホウ素密度を有する窒化ホウ素ナノ粒子を基に多様な条件を設定し、薬剤開発の標的の選択や細胞の解析対象の選定など、新たな展開を後押しするデータの取得を目指す。
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研究成果の概要 |
窒化ホウ素ナノ粒子のコーティングにより、細胞内局在の異なるBNCT用薬剤を合成し、細胞内局在、ホウ素集積量とBNCT効果を検証した。細胞内局在は、リソソームから細胞質への移動や、細胞核への分布に差が出た。ナノ粒子の粒径を変えると、粒径の増大に伴い細胞への集積量が増加した。細胞への集積量は、粒径70 nmのポリL乳酸コーティング窒化ホウ素ナノ粒子で、BNCTに最低限必要な量の180倍程度であった。小型中性子発生装置により18時間中性子を照射し、4日培養すると、約20%の細胞が死滅した。顕微鏡観察では、巨大化した細胞が多く観察され、アポトーシスと増殖死の誘発を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で使用した窒化ホウ素ナノ粒子は、BNCTを施すのに十分な量のホウ素を細胞内に集積させた。粒径の増大により細胞内ホウ素集積量が増加していたが、1細胞に集積するナノ粒子の数は減少している。ホウ素集積量でみると、70 nmの粒子が3万個集積するのと、500 nmの粒子が百個集積するのは同等である。ナノ粒子をホウ素供給の核とすれば、発現数が少ないタンパクを標的としたBNCT薬剤の開発に繋がり得る。一方、中性子発生量が、臨床用加速器の0.0001倍程度しかない小型中性子発生装置でBNCT効果が見られた。集積量が多いホウ素薬剤と使用すれば、高頻度な照射を必要とする基礎研究での利用を期待できる。
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