研究課題/領域番号 |
19H03515
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
中村 貴史 鳥取大学, 医学部, 教授 (70432911)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
|
キーワード | 癌 / ウイルス療法 / 遺伝子治療 / バイオテクノロジー / トランスレーショナルリサーチ |
研究開始時の研究の概要 |
生きたウイルスを利用したがんウイルス療法は、感染した細胞・組織内で増殖伝播しながらそれらを死滅させるウイルス本来の性質をがん治療に利用する方法である。がんウイルス療法では局所療法が全身に治療効果を発揮するという、既存のがん治療法にはない新しい概念が実証されつつある。一方、ウイルスを投与したがん原発巣における治療効果は十分であるが、ウイルスを直接投与しない転移巣での治療効果は限定的であるという問題点も明らかになってきた。そこで本研究では、この問題点を克服すべく、より高い抗がん効果を発揮させるためのウイルスの改良、及びより高い効果を期待できるがんを見分けるためのバイオマーカーの同定を目指す。
|
研究成果の概要 |
両側の皮下にがんを移植したマウスにおいて、片側にがん治療ワクシニアウイルスを投与することで、投与側腫瘍を原発巣、非投与側腫瘍を転移巣として評価した。その抗がん効果は、がん細胞を融合すること、免疫賦活化遺伝子を搭載発現することで増強され、投与側だけではなく非投与側腫瘍に対しても極めて高い治療効果を発揮した。また、ワクシニアウイルスの腫瘍溶解を強める宿主因子は、抗がん効果を予測するバイオマーカーになり得ることを臨床検体を用いて示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウイルス療法は、局所療法が全身のがんにも治療効果を及ぼす革新的がん治療法であるが、ウイルスを投与しない転移巣における治療効果は限定的となる。この問題を克服すべく本研究では、ウイルスのがんを溶かす能力を増強する、全身のがん免疫を高める、ウイルスの抗がん効果を予測する新戦略を提案し、がんモデルマウスや臨床検体を用いて、がん原発巣と転移巣の両方の根治を可能にする抗がんウイルス療法になり得ることを示した。
|