研究課題/領域番号 |
19H03519
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
山田 健人 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60230463)
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研究分担者 |
林 睦 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (60327575)
西田 浩子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80317130)
山田 幸司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90570979)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | CD26 / がん / スーパーエンハンサー / 抗体 / 核移行 / 分子標的療法 / Antibody-Drug Conjugate / 抗体療法 / RNAポリメラーゼII / 抗体抗がん剤結合薬ADC |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト化抗CD26モノクローナル抗体は、がん特異的にCD26を細胞膜から核内に移行させ、RNAポリメラーゼII(POL II)サブユニット(POLR2A)の転写抑制し増殖を阻害する。POL IIは、がん特異的スパーエンハンサー(SE)構成分子であるとともに、p53近傍のPOLR2A遺伝子がヘテロ欠失し、がん細胞がPOLR2A阻害剤に高感受性となる。本研究では、1)がん組織特異的SE形成へのPOL IIの関与の分子病理学的解析、2)がん組織検体におけるSE形成およびPOLR2A遺伝子欠失と相関するバイオマーカーの探索、3)本抗体とSE・POL II阻害分子結合による分子標的療法の開発、を行う。
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研究成果の概要 |
がん細胞に高発現するCD26に対してヒト化抗体を開発し、本抗体が、がん細胞特異的にCD26・抗体を核内に移行させRNAポリメラーゼII(POL II)の転写を抑制し細胞増殖を阻害することを見出した。そこでがん特異的なスパーエンハンサー(SE)に関わるPOL IIの分子病理学的解析並びに抗体とPOL II阻害分子の結合による分子標的療法の開発を行った。その結果、POL II抑制がPOL IIリン酸化を阻害し、がん特異的SEの形成と機能を低下させること、各がん種に特徴的なSE構造が存在することを見出し、新規抗体-薬剤複合体の開発に成功し、がん特異的SEの抑制を通じた抗がん効果を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん特異的スパーエンハンサー(SE)による遺伝子制御機構が発見され、SEを標的とした治療法の開発が難治性がんにおいて期待されている。本研究では、SE形成におけるPOL IIの分子病理学的解析を通じて、POL II抑制がそのリン酸化を阻害し、がん特異的SEの形成と機能を低下させること、さらにがん細胞特異的に核移行する抗体とPOL II阻害剤を結合させた抗体-薬剤複合体を開発し、SE抑制を通じた抗がん効果を見出した。本抗体-薬剤複合体は、多くのがんに高発現しているCD26を細胞表面での第一の標的、核内POL IIを第二の標的、がん特異的SEを第三の標的とする、強力で安全性の高い治療法となりうる。
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