研究課題/領域番号 |
19H03532
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
溝口 博之 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (70402568)
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研究分担者 |
犬束 歩 自治医科大学, 医学部, 助教 (30584776)
片平 健太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60569218)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | リスク志向 / 意思決定 / 島皮質 / 大脳基底核 |
研究開始時の研究の概要 |
依存症は健康を脅かす疾患であり、ギャンブル障害、ゲーム障害などが新たに精神疾患として認定されるなど、今まで以上に身近な社会問題として懸念されている。この事から新たな依存症の包括的理解に向けた機序解明が必要である。本研究では、多種多様な遺伝子発現制御法と遺伝子改変ラットを用いて、島皮質を基軸とした意思決定・行動選択の変容に関わる領域間ネットワーク、神経-神経ネットワークを解明し、依存症の新たな治療戦略の発信を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、多種多様な遺伝子発現制御法と遺伝子改変ラットを用いて、島皮質を基軸とした意思決定・行動選択の変容に関わる領域間ネットワーク、神経-神経ネットワークについて検討した。その結果、DRD2-Creラットを用いて間接路の神経脱落がリスク回避行動に関与すること、逆行性AAV-Flp(FLP/FRTシステム)を用いることで、島皮質―線条体経路特異的に遺伝子を発現させることが可能であること、CRISPR/Cas9システムを用いることで、大脳基底核間接路特異的にドーパミンD2受容体を脱落させることを証明した。以上から、島皮質を基軸とした神経回路を操作する手法をin vivo実験で立証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
依存症は世界銀行・WHOが報告するDALY(障害調整生命年)によると、世界トップ10に入る健康を脅かす疾患であり、ギャンブル障害、ゲーム障害などが新たに精神疾患として認定されるなど、今まで以上に身近な社会問題として懸念されている。リスク志向な行動異常を解明するためには、より細胞特異性の高い操作方法が求められている。その点から考えると、本研究成果は島皮質がリスク志向な意思決定のハブ領域であることを見つけるための手法を確立することができ、行動実験などの応用性が期待できる成果となった。
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