研究課題/領域番号 |
19H03533
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 (2021) 名古屋大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
山下 貴之 藤田医科大学, 医学部, 教授 (40466321)
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研究分担者 |
柳田 健之 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (20517669)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 光遺伝学 / X線 / シンチレータ / マウス / オプシン / ドーパミン / in vivo / 電気生理学 / 神経操作 |
研究開始時の研究の概要 |
自由行動中の動物において深部脳細胞を効率よく体外から遠隔操作することは未だ困難である。本研究では、これまで独自に開発を進めてきた、生体組織を透過するX線を可視光へと変換する発光素材である無機シンチレータを用いた神経活動の遠隔操作技術をより安全な実験系として確立することを目的とする。特に、被爆線量を最小限化する手法の開発を目指すとともに、手法の安全性・侵襲性・スケーラビリティについての改善策を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、生体を透過するX線を可視光に変換するシンチレータを組織に埋め込み、体外からのX線照射により組織内で発光させて周囲に発現させた光感受性タンパク質を活性化する手法(X線光遺伝学)の開発を試みた。その結果、無機シンチレータであるCe:GAGGとその発光に対応した光感受性タンパク質を組み合わせることで、X線を体外から照射することにより生体マウスの脳深部機能を遠隔的に操作できることが分かった。Ce:GAGG粒子は生体無害であり、また、臨床レベルの安全なX線照射量により脳深部機能操作が可能であった。以上から、X線光遺伝学は従来法より低侵襲な無線遠隔的細胞機能操作法であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、X線照射によって行動中の動物の体内に埋め込んだシンチレータを発光させ、周囲に発現させた光感受性タンパク質を活性化できることが実証された。Ce:GAGGシンチレータ粒子は生体適合性が高く注射可能であり、顕著な細胞毒性もなく注射部位に長期間留まり、低侵襲な光操作ツールとして機能する。X線の組織への透過性がほぼ無限であることから、このX線光操作法は、サルやヒトを含めた大型動物にも適用できる可能性がある。また、光を用いたゲノム編集など他の光操作技術と組み合わせることで多岐に渡る応用展開が期待される。
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