研究課題/領域番号 |
19H03534
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
小原 圭吾 関西医科大学, 医学部, 講師 (60740917)
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研究分担者 |
井上 明俊 関西医科大学, 医学部, 助教 (50709152)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | 遺伝子の戦い / 海馬 / 遺伝子導入 / 神経細胞 / Cre / 細胞競合 / 神経活動 / シナプス / 遺伝子導入技術 / ウイルス / Cre リコンビナーゼ / FLP リコンビナーゼ / 神経回路 / 場所細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子導入技術は極めて重要な基盤技術の一つであり「ライフサイエンス技術の扇の要」である。しかしながらこれまで自在性のある「遺伝子導入技術」を開発するのは困難であった。本研究課題の第一の目的は、新たな戦略を用いて、自在性のある「遺伝子導入技術」を開発することである。そして第二の目的は、この新戦略技術を活用し、「局所脳領域において神経活動依存的な細胞競合によって神経回路やシナプスが精錬され調節される」という有力な仮説の検証を成体マウス海馬領域において行うことである。これにより成体海馬における場所細胞の場所受容野形成、精錬における“神経活動依存的な細胞競合”の役割の解明を行う。
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研究成果の概要 |
これまで、現代生命科学において、自在性のある「遺伝子導入ウイルス技術」を開発するのは困難であった。報告者らは、「外来導入遺伝子の戦い」という新たな概念を創案し、遺伝子組換え酵素であるCre、FLPがお互いに戦い合うように設計した新戦略を発明し(特願2019-238481)、反発分離的な遺伝子導入を可能とする新戦略技術群「BATTLE」を生み出すことに成功した。さらに、既存の膨張顕微鏡技術と融合させた複合技術「BATTLE-1EX」を開発し、光を用いてシナプスの全体構造とその構成タンパク質の局在を高精細にナノスケールで可視化することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高度に発展した現代科学において、新たな概念を創出することは、極めて困難になりつつある。本研究課題において、「遺伝子の戦い」という新たな概念が生み出されたことは、非常に高い学術的意義があるといえる。さらに、本研究課題は、その概念を活用して、これまでの従来技術では難しかった「反発分離的な遺伝子導入」を可能とする新技術「BATTLE」を開発することに成功した。今後、生物学、基礎医学研究領域における幅広い分野に適用可能な基盤的戦略技術である「BATTLE」を用いて、生命科学のさまざまな分野が進展し、生命の全体像の理解や様々な疾患の原因解明が進むことが期待され、高い社会的意義を持つといえる。
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