研究課題/領域番号 |
19H03535
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡部 喬光 東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 准教授 (10710767)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / MRI / TMS / エネルギー地形解析 / 神経タイムスケール解析 / 脳活動駆動型神経刺激装置 / 非侵襲的神経刺激 / 認知の硬直性 / 脳活動駆動型神経刺激法 / 神経ダイナミクス / 磁気刺激 / 脳波 / 脳科学 / 精神神経科学 / 精神疾患 / 認知の柔軟性 / 精神神経医学 / 計算論的精神医学 / 脳機能画像 / データ駆動型解析 / 自閉症 / 脳画像 / 脳刺激法 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症は人口の数パーセントに見られる発達障がいである。その症状として社会疎通性の障害が注目されがちだが、もう一つの中核症状である活動と興味の範囲の著しい限局性も、たとえ知能が平均もしくは平均以上であっても、当事者の社会生活に大きな影響を与えている。本研究では、「この自閉症に見られる認知の硬直性が神経活動の過度の安定性にあるのではないか」という仮説を独自の統計解析手法および心理実験パラダイムを用いて検証する。さらに新たに開発する動的脳刺激法によって、その神経-行動相関の因果性を実証し、将来的な非侵襲的治療のヒントを探る。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、脳神経活動状態の変化を追跡し、それに基づいた非侵襲的神経刺激を行い、自閉スペクトラム症(ASD)当事者の認知的硬直性を緩和させることにあった。我々はまず、エネルギー地形解析を拡張し、脳活動依存型脳刺激装置を開発し、神経活動が行動や認知に及ぼす影響は、周囲の神経活動の履歴に左右されるということも明らかにした。この開発過程で、エネルギー地形解析の元となっているペアワイズ最大エントロピー法を新たなヒトの行動へ適用することにも成功した。これらの成果をもとに、高機能ASD当事者の認知的硬直性、感覚の硬直性、非言語情報の非定型的処理を制御することができることを実験的に明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、1. 方法論的発展として、エネルギー地形解析をより多くの脳領域を対象にも行えるように拡張したという点と、2. 概念的進歩としては、brain-behaviour causalityが脳活動状態依存に変化することを明らかにした点とがある。社会的意義は、この方法を用いることで、高機能自閉スペクトラム症の認知の硬直性や感覚の硬直性、社会疎通性の非定型性が緩和される傾向となった、という点にあると思われる。
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