研究課題/領域番号 |
19H03545
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐橋 健太郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90710103)
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研究分担者 |
勝野 雅央 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50402566)
井口 洋平 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80790659)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 脊髄性筋萎縮症 / 運動ニューロン / 核酸 / 髄液 / 運動ニューロン変性 / 運動ニューロン疾患 / RNA |
研究開始時の研究の概要 |
脊髄性筋萎縮症(SMA)はSMN蛋白欠乏により運動ニューロン死をきたす乳児死亡最多の遺伝子疾患である。SMNは発達期需要度が高く、RNAの代謝や輸送を担うため、SMAでは発達期RNA病態が示唆されるが神経変性機構は解明されていない。ノンコーディングRNA(ncRNA)は神経発生や分化に関わり、そのRNA発現調節が注目されている。そこでSMA病態に関し、ncRNAを介するRNAネットワーク異常を起因とする、胎生遺伝子の制御異常による発症機構の検討が重要であると考え、本研究ではマウス胎仔、ヒトiPS細胞を用いてその機序を明らかにし、バイオマーカーと治療法開発につなげていく。
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研究成果の概要 |
脊髄性筋萎縮症(SMA)の運動神経障害は、発達異常の機序が想定されている。本研究では、モデルマウス胎仔の運動神経細胞の解析を行い、発生に重要な遺伝子Aの発現低下が見出された。遺伝子Aはモデルマウス培養細胞でみられる障害を改善した。また患者iPS細胞を作成し、同様に検証している。さらに患者髄液中で変化がみられた核酸を見出し、変化は治療により正常化方向に改善し、効果判定の指標となる可能性があった。これに付随し神経発生・伝達に関わる遺伝子の神経障害への寄与を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
モデルマウスや患者サンプルを用いて、脊髄性筋萎縮症(SMA)の発症機序に迫る、神経関連の遺伝子群の変化が見出されており、重症度を規定する因子の同定や、治療効果を判定する指標の開発に今後つながる可能性がある。さらに患者iPS細胞の活用を通じ、上記遺伝子を標的とした新たな治療法の開発と、この知見が、運動神経細胞が障害される他の疾患に対しても応用されることが期待され、学術的・社会的意義の高い成果が上がっている。
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