研究課題/領域番号 |
19H03547
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
櫻井 武 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (90615717)
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研究分担者 |
大槻 元 京都大学, 医学研究科, 特定教授 (60723278)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 社会性ストレス / 思春期 / マウスモデル / 脳内炎症 / 精神疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
精神疾患を行動ドメインで再分類し、各々のドメインの障害がどの神経回路のどのような異常で起こるかを明らかにするアプローチが、精神疾患の生物学的理解と今後の新たな治療法の確立に重要である。思春期の社会性ストレスは脳内炎症を通じて様々な要因で脆弱性を持つ脳の発達に影響を及ぼし精神疾患の発症につながると考えられる。本研究ではマウスモデルを使ってその障害の過程を行動ドメイン毎に分子、細胞、神経ネットワークの各レベルで明らかにし、社会性ストレスによって惹起される炎症の調節で将来の精神疾患にみられる行動表現型の出現を予防する方策を探る。
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研究成果の概要 |
シナプス構成分子が改変されたマウスや胎生期に炎症にさらされたマウスの脳内には、脳領域毎に多様な神経細胞の反応性や可塑性、さらには脳内免疫細胞の反応性の変化が導入される可能性があり、さらにそこに思春期の社会性ストレスが負荷されると、回路特異的な神経活動への影響と脳全体にわたるストレスの影響により、統合失調症を含む精神疾患に見られるような様々な行動ドメインに変化が生じる可能性が明らかとなった。したがって、今後こういった多様な脳の脆弱性の存在下において思春期の社会性ストレスに対して効果的にレジリアンスをあげる方策の開発研究の必要性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精神疾患の発症リスクの高い人達には、発症以前から遺伝・環境要因による脳の脆弱性の存在が想定されているが、その脆弱性は神経生物学的に多様な事象が関わっており、さらにそこに思春期の社会性ストレスなどによって負荷がかかる事により成人での行動や認知機能異常につながると考えられる事が明らかとなった。今後、その原因毎の脳内の脆弱性の詳細な解析が必要なことに加え、現在問題となっているパンデミックによる社会的状況によってその増大が懸念されている思春期の社会性ストレスに対しては、科学的エビデンスに基づいた有効でかつ多様なメンタルヘルスサポートの必要性が示唆された。
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