研究課題
基盤研究(B)
研究期間全体でコントロール150名、ステージ0大腸がん患者150例の便検体を採取し、便DNA検査を実施する。また、便潜血検査および大腸内視鏡検査データについても全例取得する。最終的には、便潜血検査と便DNA検査の組み合わせ検査によるステージ0大腸がんの診断精度を評価すると共に、便潜血単独検査に対する優位性を検証する。腺腫(ステージ0大腸がん含む)段階までの切除により大腸がんの死亡率減少につながることは科学的に証明されているため、本技術をがん検診に導入することで、国民の大腸がん死亡率減少につながることが大いに期待できる。
メチル化TWIST1遺伝子(mTWIST1)が大腸腫瘍のバイオマーカーであることを我々は世界で初めて報告している。この知見から、便中のmTWIST1を検出できれば大腸癌診断ができると考え便DNA検査を試みたものの、便中のヒトDNAは極めて微量のために従来技術(bisulfite処理ベース解析技術)ではmTWIST1の検出がほとんどできなかった。そこで、新規メチル化解析技術のCORD assay (combined restriction enzymes and digital PCR)を開発し、本研究により早期癌スクリーニング法としての有用性を確認した。
今回開発した高感度メチル化解析法CORD assayは、酵素を加えるのみでよく、その後のDNA精製が不要で、酵素反応液をそのままPCR反応液に添加できるため、非常に単純な作業工程である。この技術を用いれば、便、血清、血漿など、種々の検体から、様々な癌のスクリーニング検査に応用できると思われる。CORD assayは臨床検査のツールとして大きな潜在力を秘めている。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
Clinical and Translational Gastroenterology
巻: 11 号: 6 ページ: e00176-e00176
10.14309/ctg.0000000000000176