研究課題/領域番号 |
19H03569
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
稲垣 真一郎 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生体防御系内科部, 医師 (70637826)
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研究分担者 |
村田 幸久 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40422365)
山本 貴和子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, アレルギーセンター, 医長 (40725115)
成田 雅美 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生体防御系内科部, 医師 (70313129)
大矢 幸弘 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, アレルギーセンター, センター長 (80392512)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 食物アレルギー / 尿中PGDM / 経口免疫療法 / 経口負荷試験 / バイオマーカー / プロスタグランジンD2 / オーダーメイド / プロシタグランジンD2 / オーダーメイド化 / PGDM / 新規バイオマーカー / 個別化オーダーメイド治療 / PGDM |
研究開始時の研究の概要 |
食物アレルギー(FA)の原因食物を定期的に摂取し、症状誘発閾値の上昇を目指す「経口免疫療法」の有効性が報告されている。しかし、客観的指標が無いことが課題である。申請者らは、FAの発症時に、肥満細胞から産生されるプロスタグランジンD2 の最終代謝産物である尿中PGDMが上昇すること、更に症状誘発を予測するカットオフ値を報告した(Inagaki S.JACl.2018)。本マーカーは、診断・治療の指標として応用できる可能性がある。本研究では、免疫療法中の患者を対象に、定期的に尿中PGDMwpモニタリングしながら適切な摂取量を決定し、安全かつ有効なオーダーメイドの経口免疫療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、食物アレルギーの即時型誘発症状を検出する新規バイオマーカーとして尿中PGDMに着目し、食物アレルギーの診断、治療効果判定に有用であるかを検証した。食物経口負荷試験を行った患者39人を対象に尿中PGDMを測定したところ、負荷試験で症状が誘発された患者では尿中PGDMが上昇していた。更に、経口免疫療法中の患者24人を対象に尿中PGDMを測定した結果、尿中PGDMが上昇しなかった患者では、脱感作状態を獲得して免疫療法の治療効果が高くなっていた。これらの結果より、尿中PGDMはアレルギー症状を客観的に検知するだけでなく、食物アレルギーの治療効果判定にも有用であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究において、新規バイオマーカーである尿中PGDMは、食物アレルギーの誘発症状を検知するという、診断マーカーとして有用であるだけでなく、その治療である経口免疫療法の効果判定においても鋭敏なマーカーとして有用である可能性が示唆された。将来的に簡易式のキット等が開発できれば、自宅での採尿により免疫療法の調整や治療効果判定を行うことが可能になり、安全な免疫療法を行うことのみならず、危険を伴う食物経口負荷試験を避けることが可能になり、更には経口免疫療法の摂取量の調整、増量や治療終了のタイミングなど治療のオーダーメイド化に大きく寄与するものと考えられる。
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