研究課題/領域番号 |
19H03574
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 特定教授 (90212761)
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研究分担者 |
大野 行弘 大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00432534)
柿田 明美 新潟大学, 脳研究所, 教授 (80281012)
津田 一郎 中部大学, 創発学術院, 教授 (10207384)
行木 孝夫 北海道大学, 理学研究院, 教授 (40271712)
松本 理器 神戸大学, 医学研究科, 教授 (00378754)
人見 健文 京都大学, 医学研究科, 講師 (50402904)
菊池 隆幸 京都大学, 医学研究科, 講師 (40625084)
松橋 眞生 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40456885)
下竹 昭寛 京都大学, 医学研究科, 助教 (80726000)
宇佐美 清英 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (20829204)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | てんかん / ニューロン / グリア細胞 / wide-band EEG / DC電位 / HFO / red slow / 発作時DC電位 / 発作時HFO / TIRDA / 深層学習 / 脳波 / グリア / 数理モデル / 時定数 / 数学的力学系分類 / Kir4.1チャンネル / active DC電位 |
研究開始時の研究の概要 |
てんかん発作はニューロンの過剰興奮による疾患と捉えられる。これまで電気的な活動が乏しいことから見逃されていたグリアが、そのカリウムイオンや興奮性アミノ酸の緩衝作用が障害されると、ニューロンの易興奮性・神経毒性を引き起こすことがわかりつつある。本研究では、グリアの電気的、病理学的、生化学的、薬理学的マーカーとニューロン活動を統合的に説明できるてんかん発作の発現機構を明らかにして、数理モデルからの検証を加える。さらに最新のヒト脳のvirtual brain modelで実データのモデル検証を行い、創薬開発、数理モデルに裏付けされた革新的脳刺激てんかん治療、発症前予防protocolの確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、多施設共同研究として、国内5施設で、てんかん外科手術をおこなった61症例の頭蓋内脳波解析をおこない、発作時DC電位が、従前の脳波記録方法による発作起始部より早期から認め、発作時HFOよりも先行すること、さらに、発作時DC電位の主要発生源である中核領域の外科切除が、良好な発作抑制をもたらすことを明らかにした。また、てんかん外科手術の切除標本の病理学的検討や、ラットの急性のピロカルピン発作モデルによる薬理学的検討、脳波データにおける数理解析をおこない、てんかん発作におけるニューロンとグリアの関わりについて、様々な手法を用いて知見を深めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
てんかんは、大脳の神経細胞が過剰に興奮するために、脳の発作性の症状が反復性に起こる慢性の脳疾患である。てんかん発作は、以前からニューロンの過剰興奮により発現すると考えられてきた一方で、ニューロンの周囲にあるグリア細胞の関わりについては、その電気的な活動が乏しいことから、これまで見逃されてきた。本研究では、てんかん発作におけるグリアとニューロンの関わりを様々な手法を用いることで明らかにすることができ、神経科学および臨床てんかん学の発展に寄与するとともに、将来的には難治性てんかん患者の治療成績向上に資するものであると考える。
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