研究課題/領域番号 |
19H03584
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
曽良 一郎 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (40322713)
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研究分担者 |
江口 典臣 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80814566)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | AD/HD / iPS細胞 / 幹細胞 / 大脳皮質 / ドーパミン / 脳神経疾患 / 発生・分化 / 中脳 |
研究開始時の研究の概要 |
健常者およびAD/HD患者の細胞から作成したiPS細胞を、SFEBq法を用いて大脳皮質様構造を持つ神経組織へ分化誘導させる。分化させた大脳皮質の構造を免疫染色により解析により、AD/HD患者の神経発生の異常について検討する。また、iPS細胞をPA6細胞上で培養するSDIA法を用い、iPS細胞をドーパミン神経細胞へと分化させ、ドーパミン放出能力、ドーパミンの取り込みを解析する。更にメチルフェニデート等のAD/HD治療薬への反応性についても検討する。
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研究成果の概要 |
未だ病態が不明である注意欠如・多動性障害(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder, AD/HD)の病態を再現したモデルを作成することを目的に、AD/HD者由来のiPS細胞を大脳皮質の細胞からなる三次元的な組織(大脳皮質オルガノイド)へと分化させ、解析を行った。 免疫染色と用いた形態的な解析により、発生初期の大脳皮質に相当する構造のうち、層構造の厚さ、層に含まれる神経細胞数に、健常由来とAD/HD由来の細胞とで有意な差があることを見出した。この形態的な変化を生じる原因を検討し、細胞分裂とアポトーシスの数、自己増殖と分化の割合に有意な差があることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、AD/HD者では大脳皮質の発生に変化が生じていることを示唆するものである。MRI等を用いた画像研究など、先行研究においてもAD/HDにおける大脳皮質の形態的変化が指摘されており、本研究成果の妥当性を支持していると考える。本研究で得られた大脳皮質オルガノイドはAD/HDにおける大脳皮質の発生を実験的に再現しており、AD/HDの生物モデルとして更なる研究に利用可能であると考えられる。本研究の成果はAD/HDの病態解明、新たな治療法の開発に利用可能であり、将来のAD/HD治療を促進するという社会的、学術的意義を有するものである。
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