研究課題/領域番号 |
19H03601
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
浦山 慎一 京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (10270729)
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研究分担者 |
赤坂 太 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00883224)
福永 雅喜 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 准教授 (40330047)
松橋 眞生 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40456885)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 7T-MRI / non-pTx / B1 inhomogeneity / head coil / RF mode switching / MRI / pTx / RFスイッチング技術 |
研究開始時の研究の概要 |
一般的に臨床で用いられているMRI装置の数倍の磁場強度を有する7テスラMRI装置は、脳の構造や機能情報を非常に高い空間分解能で描出可能となり、大きな期待が寄せられている一方で、高い静磁場強度のために送信波強度が脳内で不均一になり、画質を大きく低下させることが問題となっている。その解決には、非常に高価で技術的に困難なパラレル送信システムを導入することが一般的であるが、我々は、「RFモードスイッチング」と呼ばれる新しいコンセプトに基づいた専用RFコイルシステムを設計・開発、安全性評価などを経て評価実験を行うことにより、このB1不均一問題の解決に取り組む。
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研究実績の概要 |
臨床用MRIの数倍の磁場強度を有する7テスラMRIは、送信波強度が体内で不均一になり、画質を大きく低下させることが問題となっている。その解決には、非常に高価で技術的に困難なパラレル送信システムによるのが一般的であるが、我々は、「RFモードスイッチング」と呼ばれる新しいコンセプトに基づいた専用RFコイルシステムを設計・開発、安全性評価などを経て評価実験を行うことにより、このB1不均一問題の解決に取り組む。 2021年度はまず、前年度に設計変更した3層ループコイルを有する第2世代送信経路選択スイッチ(Txスイッチ)の開発を行った。Txスイッチは、MRI装置の送信波電源アンプから出力された送信波電流を、MRIシーケンス制御コンピュータからのTTL信号を受けて、2つの出力ポートの内のどちらかに振り分けるための回路である。しかし完成したTxスイッチは入力したパワーの40から50%程度をロスするという低効率のものであった。そこで次に、1/4波長の同軸ケーブルを用いたブロッキング回路を持つ第3世代Txスイッチを新たに設計、開発を行った。その結果、Txスイッチのパワーロスは20%程度と、まずは使用可能なレベルまで抑えることが出来た。そのため、新たに2チャンネルのループコイルをアクリル円筒に設置した送受信コイルシステムを開発し、ブロッキング性能の評価を行ったところ、TTL信号により明確に2つの出力ポートの内の片方の送信波電流をブロックできていることが確認された。 以上の結果を受け、第3世代Txスイッチをコンパクトに1枚のPCBボードにまとめた第4世代Txスイッチを設計、開発したところ、再度、パワーロスが30%程度まで上昇した。そのため、パワーロスを更に抑えるよう第5世代Txスイッチの設計開発を行った。また。初代プロトタイプ機となる4ch送受信コイルを有するシステムの開発を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本プロジェクトは、豪州クィーンズランド大学のMartijn Cloos博士との共同研究であるが、開発した機器を7T-MRI装置に接続する時には、その装置とRFコイル開 発や安全性に関して熟知しているCloos博士を招聘し、同席してもらう必要がある。しかしCOVID-19のためにCloos博士を招聘出来ない状況が2022年秋まで2年半続き、その後、ようやく招へいすることが出来たものの、2年半の遅れが大きく響いている。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、既に、第5世代Txスイッチや4ch送受信コイル、4x4 Butler Matrixを含む初代プロトタイプ機の開発を開始している。そのため、まずはこの4chプロトタイプ機を完成させ、最初のRFモードスイッチング送信コイルシステムの実証実験を行う。 その結果を元に、プロトタイプ機のチャンネル数を4chから8chに拡張する共に、ヒト頭部が入るサイズ(内径300mm程度の円筒形)の第2世代プロトタイプ機を開発、ファントムを用いた実証実験を行う。
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