研究課題/領域番号 |
19H03604
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
森田 明典 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (90334234)
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研究分担者 |
青木 伸 東京理科大学, 薬学部生命創薬科学科, 教授 (00222472)
王 冰 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 放射線影響研究部, グループリーダー(定常) (10300914)
下川 卓志 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 物理工学部, 研究統括(定常) (20608137)
椎名 勇 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 教授 (40246690)
笹谷 めぐみ (豊島めぐみ) 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (80423052)
真板 宣夫 徳島大学, 先端酵素学研究所(次世代), 准教授 (00404046)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 放射線防護剤 / 細胞死 / 正常組織防護 / p53 / 分子標的創薬 / 抗炎症作用 / 抗炎症剤 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線防護上、代表的な急性障害は骨髄と腸上皮の放射線障害である。p53は、骨髄死ではアポトーシスを促進する因子として、腸死では分裂死を防ぐ抵抗性因子として機能することが知られている。我々は、骨髄死を防ぐ化合物としてp53活性を抑制する「p53阻害剤」を、腸死を防ぐ化合物としてp53の抗細胞死活性を高める「p53調節剤」を見出し、両組織で相反するp53応答に対処可能なシード化合物として、両剤の化合物合成展開や担がんマウス放射線治療モデルによる有用活性評価を更に進める。また、p53非依存的な放射線防護剤の開発にも取り組み、多角的な視点で放射線治療による正常組織障害を軽減する防護剤の開発を推進する。
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研究成果の概要 |
本研究では、骨髄死に有効な「p53阻害剤」としてオルトバナジン酸ナトリウム(バナデート)、また、腸死に有効な「p53調節剤」として放射線抵抗性に関わるp53標的遺伝子を上方制御する5-クロロ-8-キノリノール(5CHQ)をシード化合物として、その防護活性の詳細な検討や作用機構解析、およびより高活性な誘導体開発を進めた。その結果、5CHQよりも優れたp53依存的防護効果を示す単糖配糖体を見出した。また、バナデートは、5CHQとは異なり、後半身照射による腸管障害に有効性を示さなかった一方、X線、炭素線、鉄線全身照射後の骨髄障害を抑制し、骨髄死に対する顕著な防護効果を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
正常組織の耐性を高める防護剤の開発および作用機構解明は、がん治療におけるリスク臓器防護剤としての医療応用が期待される。p53制御剤は、放射線高感受性組織の被ばく後の過剰な細胞死の原因となるp53を一過的に制御することで急性障害を軽減する新しいタイプの放射線防護剤である。正常なp53機能をもつ正常組織の放射線細胞死を選択的に防護し、p53機能を喪失しているがん細胞は防護しないため、がんゲノム医療の最適化に資する研究として推進した。
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