研究課題/領域番号 |
19H03619
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北畠 康司 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (80506494)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | ダウン症候群 / iPS細胞 / ゲノム編集技術 / ゲノム編集 / アストロサイト / エピジェネティック編集技術 / 染色体異常 |
研究開始時の研究の概要 |
ダウン症候群では多彩な神経症状が見られる。21番染色体の‘遺伝子量効果’がその原因と考えられてきたが、その効果をさらに修飾する強い病的作用が存在すると思われる。本研究課題では『ダウン症候群に見られる中枢神経系の病態は‘21番染色体の遺伝子量効果’と‘すべての染色体に共通のストレス作用’の両者が複雑に作用することによって発症する』という仮説をもとに、iPS細胞にゲノム編集技術を駆使することでダウン症モデルを樹立し、その中枢神経障害に対する病態解明と治療薬開発を目指す。
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研究成果の概要 |
ダウン症候群では多彩な神経症状が見られる。近年、21番染色体の遺伝子量効果に加えて、染色体異常そのものが引き起こす病的作用が存在することが報告されつつある。本研究では21,13トリソミーiPS細胞から分化した神経細胞をもちいて細胞ストレス反応について研究を行い、トリソミーの神経細胞ではタンパク質恒常性の破綻によって神経細胞死が起こることが分かった。一方、ダウン症iPS細胞とXIST遺伝子による染色体不活化、ゲノム編集技術をもちいることで遺伝子背景がそろった細胞株パネルを樹立した。これらの解析によって、ダウン症アストロサイトの異常増殖にはDYRK1A遺伝子が原因遺伝子であることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ダウン症候群は700人に1人と高い発症頻度であり、知的障害をもたらす遺伝性疾患では最多である。さらに50年前にはダウン症者の平均寿命は約3歳であったにもかかわらず、医療の進歩により現在では約60歳であり、この50年間で50年以上伸びた。この急激な変化により、これまで気付かれなかった成人期の認知障害が近年大きな問題として浮かび上がってきているがその研究はまったく進まず治療法もない。本研究課題においてえられる成果は、これまであまり顧みられなかったダウン症候群の臨床を前進させ、患者本人のみならずその両親・介護者の日常生活の向上に大きく役立つと期待される。
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