研究課題/領域番号 |
19H03662
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
内藤 篤彦 東邦大学, 医学部, 教授 (10588891)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 心筋細胞 / DNA損傷応答 / SWI/SNF複合体 / DNA損傷 / 細胞種間差 / CRISPR/Cas9 / トランスポゾン / miniSOG / 光遺伝学 / LINE-1 / SINE-1 |
研究開始時の研究の概要 |
心筋細胞は細胞内で発生する活性酸素種(ROS)によるDNA損傷が引き金となって生後すぐに分裂増殖能を喪失する。心筋細胞はまた、細胞内で大量に発生するROSによるDNA損傷にも細胞死を選択することなく、場合によってはDNA損傷を蓄積して生涯にわたって個体の生命を支え続ける。これら二つのDNA損傷に対する反応は、いずれも通常の分裂細胞で認められるものとは異なる心筋細胞特有の反応である。本研究の目的は、DNA損傷を時間的・空間的・定量的に制御可能な実験系を構築することで、心筋細胞特有のDNA損傷応答機構を明らかにし、そのメカニズムを解明することである。
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研究成果の概要 |
心筋細胞の分裂増殖が停止する機構として心筋細胞特異的なDNA損傷応答機構が存在するのではないかと考え、遺伝子工学を駆使して心筋細胞と非心筋細胞にDNA損傷を再現性・制御性高く加えるシステムの開発を目指したが、十分に再現性の高いシステムを開発することはできなかった。一方、研究計画の過程で観察された現象から、SWI/SNF複合体がATPaseサブユニット特異的に心筋細胞の分裂増殖を逆方向に制御することを見出した。クロマチンリモデリング因子ATPaseサブユニット特異的な制御機構を明らかにしていくことで、心筋細胞が生後細胞周期を停止する仕組みも明らかになると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心筋細胞が生後に分裂増殖を停止する仕組みを明らかにすることで、心筋細胞を細胞周期に復帰させて分裂増殖を誘導する新たな再生医療の開発につながる可能性がある。また、がん細胞に対して心筋細胞が細胞周期を離脱する仕組みを導入する技術を開発できればがんに対する新たな治療法となる可能性がある。さらに、心筋細胞がROSによる持続的なDNA損傷に対して細胞死や細胞老化を引き起こすことなく機能を保ち続ける仕組みを明らかにすることで老化に関連する疾患の治療法開発につながる可能性がある。
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