研究課題/領域番号 |
19H03679
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 筑波大学 (2020-2021) 北海道大学 (2019) |
研究代表者 |
乃村 俊史 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50399911)
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研究分担者 |
武市 拓也 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (30754931)
秋山 真志 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (60222551)
清水 宏 北海道大学, 医学研究院, 教授 (00146672)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 毛孔性紅色粃糠疹5型 / 復帰変異モザイク / revertant mosaicism / 自己炎症性疾患 / 自己炎症性皮膚疾患 / 自己炎症性角化症 / 自然治癒 / 相同組換え |
研究開始時の研究の概要 |
自己炎症性疾患は自然免疫の異常活性化により発症する難治性の疾患である。本研究では、ある自己炎症性皮膚疾患の病変の一部で遺伝子変異が消失し自然治癒する現象に着目し、このメカニズムを解明することで、新しい治療法の開発につなげることを目指している。具体的には、自己炎症性皮膚疾患で見られるそのNF-κB経路の異常活性化が、体細胞組換えという遺伝子変異修復の仕組みを誘導している可能性を検証する。この分子機構が解明されれば、自己炎症性疾患を体細胞組換え誘導により治療する可能性がある。さらに、他の自己炎症性疾患でも同様に遺伝子変異が消失する自然治癒現象が起こっているか検討する予定である。
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研究成果の概要 |
毛孔性紅色粃糠疹5型は極めて難治性の遺伝性皮膚疾患であり、根治的な治療法はほとんど存在しない。本研究では、毛孔性紅色粃糠疹5型の患者皮膚に臨床的にも病理学的にも自然治癒した皮膚領域が存在することを発見し、その領域の表皮から病因変異(CARD14遺伝子の機能獲得変異)が消失していることを証明した。さらに、病因変異の消失メカニズムが体細胞レベルでの相同組換えであることを示した。相同組換えはDNA2本鎖切断の際の修復に重要であることが知られており、変異CARD14がDNA2本鎖切断の増加やDNA2本鎖切断時の相同組換え頻度の増加をきたすか検討したが、いずれも認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
毛孔性紅色粃糠疹5型で自然治癒現象(復帰変異モザイク)が見られることを世界で初めて発見し、論文報告しました。患者さんの皮膚(表皮)から病因となる遺伝子変異(CARD14遺伝子のミスセンス変異)が相同組換えという仕組みにより消失していました。毛孔性紅色粃糠疹5型は極めて難治性の疾患で有効な治療法はほとんど存在しませんが、本研究により患者さんの皮膚細胞(表皮角化細胞)には相同組換えにより遺伝子変異を修復する力があることがわかりましたので、今後その仕組みがさらに解明されれば、新規治療法の開発が強く期待できます。
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