研究課題/領域番号 |
19H03681
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
豊島 文子 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (40397576)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2019年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | 幹細胞 / 皮膚 / 妊娠 / 表皮幹細胞 / 血管 / 組織幹細胞 / 組織リモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
表皮幹細胞の増殖・分化制御は、生体の恒常性維持に重要である。皮膚は、ライフステージごとの体型変化に伴い表面積を変化させるが、それを担う表皮幹細胞の制御機構や生理機能は不明である。申請者は、胎児の成長に伴って拡張する妊娠マウスの腹部皮膚において、表皮幹細胞から高い増殖能を持つ細胞群が産生されることを見出した。本研究では、妊娠に適応するための表皮幹細胞の増殖・分化制御機構を明らかにする。また、妊娠に伴う「真皮」の再編機構を解析し、表皮と真皮の相関を解明する。
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研究成果の概要 |
皮膚は、ライフステージに伴い表面積を変化させる。特に妊娠期には、胎児の成長に伴って腹部皮膚が急速に拡張するが、その生体機構は不明である。我々は、妊娠期において表皮幹細胞から高い増殖能を持つ細胞群(Tbx3+基底細胞)が産生されることを報告した。本研究では、Tbx3+基底細胞は血管依存性表皮幹細胞であり、妊娠期には体表血管の増加に依存して出現し、出産後には血管退縮とともに分化して表皮から排出されることを明らかにした。また、皮膚に張力負荷をかけると、非妊娠においても体表血管が増加し、それに依存してTbx3+基底細胞が誘導されたことから、血管と張力が皮膚伸展に重要であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
妊娠期の皮膚リモデリング機構において、皮膚拡張を担う表皮細胞増殖クラスターの形成機構を解明し、その分子基盤を示した。また、血管新生を阻害すると表皮細胞増殖クラスターの出現が抑制されることを示し、皮膚リモデリング機構における血管の重要性を明らかにした。さらに、張力負荷により血管新生と表皮増殖クラスターが誘導されることを見出し、妊娠と張力による皮膚リモデリングの共通性を明らかにした。皮膚の医療・美容領域においては、力刺激を用いたケアが広く普及している。本研究は、これらの力学セラピーに対する生物学的根拠を提示するものである。
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