研究課題/領域番号 |
19H03687
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
菊繁 吉謙 九州大学, 大学病院, 講師 (40619706)
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研究分担者 |
赤司 浩一 九州大学, 医学研究院, 教授 (80380385)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 白血病幹細胞 / がん代謝 / 代謝 / ミトコンドリア / アミノ酸代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト急性骨髄性白血病(AML)および急性リンパ球性白血病(ALL)に共通する白血病幹細胞性維持機構として、腫瘍特異的代謝特性に着目して研究を行う。先行研究において、ヒト正常および悪性造血幹細胞のメタボロームデータベースの構築に取り組んでおり本研究においても、さらに症例数を増加させてデータベースの拡充を行う。さらにこれらのデータベースより、すでにAMLとALLに共通する代謝特性として、分岐鎖アミノ酸(BCAA)代謝経路の恒常的活性化を見出しており、本研究計画においてその幹細胞性維持制御機構について解析を行うことで、新規の白血病幹細胞特異的な代謝特性を標的とした新規治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒト白血病幹細胞における幹細胞性維持に重要な代謝経路の同定に取り組んだ。ヒト白血病幹細胞が濃縮されるCD34+急性骨髄性白血病(AML)および急性リンパ芽球性白血病細胞(ALL)はCD34+正常ヒト造血幹前駆細胞と比較して、細胞内分岐鎖アミノ酸(BCAA)含有量が20 倍以上上昇していることを見出した。ヒト患者由来AML/ALL細胞を移植したPDXモデルにおいて、食餌中BCAA制限を行なうと、in vivoにおいてヒトAML,ALLの増殖が抑制され、BCAA代謝は白血病幹細胞の自己複製をcell intrinsicなメカニズムで維持するのに必須であることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の遂行により、ヒト急性白血病における幹細胞性維持にとって重要な代謝特性としてBCAA代謝経路を同定することができた。また、BCAA代謝が利用する幹細胞性維持機構として、下流のPRC2機能制御を同定することができた。これらの結果から、BCAA代謝経路を標的としたヒト急性白血病における治療戦略を構築する上で、基盤的な特性を明らかにすることができた。したがって本研究の果たした意義は基礎的研究分野のみならず、今後の応用も含めた発展性のある内容であり、社会的意義も高いものであると考える。
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