研究課題/領域番号 |
19H03691
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 (2021) 横浜市立大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
黒滝 大翼 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特任准教授 (10568455)
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研究分担者 |
中林 潤 横浜市立大学, 先端医科学研究センター, 准教授 (80322733)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 樹状細胞 / 分化 / 感染 / 遺伝子発現制御 / 血球分化 / 転写因子 / サイトカイン / 免疫応答 |
研究開始時の研究の概要 |
血球は様々な機能を持つ多様な細胞集団で構成されており、酸素供給・組織恒常性維持・生体防御などに極めて重要な役割がある。樹状細胞は造血幹細胞(全ての血球細胞のもとになる細胞)に由来し、病原体や腫瘍に対する免疫応答に必須の血球細胞である。最近の我々の研究により造血幹細胞に近い上流の多能性前駆細胞集団の中に樹状細胞に特化した分化能(成熟した血球細胞を産生する能力)を示す細胞が存在することがわかった。この結果は樹状細胞への運命決定が造血の早期段階でも起こりうることを示している。本研究ではこのような造血早期における樹状細胞分化制御の仕組みや免疫学的な意義を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
血球細胞は骨髄造血幹細胞に由来する。しかし、各種血球細胞への系譜決定の仕組みについては不明な点が多い。本研究で我々は造血幹細胞に近い多能性前駆細胞集団の中に転写因子IRF8を発現する亜集団を見出した。この多能性前駆細胞亜集団は樹状細胞系譜に偏った分化能を示すことがわかった。さらに我々は樹状細胞系譜への早期運命決定の感染防御における役割について解析を行った。その結果、感染によって造血幹細胞や多能性前駆細胞においてIRF8の発現が誘導されることがわかった。加えて、IRF8遺伝子近傍領域の詳細な解析を行い、感染におけるIRF8の発現誘導に関与する遺伝子発現制御領域と転写因子を同定することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
私たちはどのようにして数十種類もの白血球が産生されるのかについて研究を行っています。最近の私たちの研究によって、造血幹細胞(血液のもとになる細胞)に近い前駆細胞の中に、樹状細胞と呼ばれる免疫細胞のみを産生する亜集団が含まれることがわかりました。私たちは、このような樹状細胞への運命決定の仕組みが感染時に活性化することで樹状細胞の素早い産生が可能になり、効果的な病原体除去に貢献していると考えています。
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