研究課題/領域番号 |
19H03724
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
武冨 紹信 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70363364)
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研究分担者 |
坂根 郁夫 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (10183815)
北村 秀光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (40360531)
深井 原 北海道大学, 医学研究院, 特任講師 (60374344)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 消化器がん / 肝細胞がん / DGKα / がん免疫療法 / T細胞 / 樹状細胞 / DGKζ / 免疫療法 / ダブルノックアウトマウス |
研究開始時の研究の概要 |
ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)は、膜脂質情報伝達を調節する様々な機能が報告されている。その中でもDGKαは、がんの増殖に関わることや、T細胞のアナジー状態を誘導すると報告されている。一方、DGKζもT細胞の増殖、免疫系を活性化する作用などの機能調節を持つと報告され、DGKα/ζの阻害は、がん細胞に対する直接的な作用と、腫瘍免疫の賦活を介した作用の二方向からの抗腫瘍効果が期待される治療薬となり得る。しかし、これまでDGKα/ζのT細胞内での作用機序の違いについて直接比較された研究は少なく、我々はDGKα/ζの機能解析を詳細に行い、DGKα/ζの阻害による次世代免疫療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
DGKα阻害は肝細胞がんの細胞増殖抑制とT細胞活性化を介する抗腫瘍免疫賦活の二重の抗腫瘍効果でマウス肝がんモデルにおける腫瘍増殖を抑制し、PD-1/PD-L1阻害との併用によって相乗的な抗腫瘍効果を発揮するメカニズムを解明した。さらに、DGKζ遺伝子欠損マウスの肝がんモデルにおいては、T細胞だけでなくNK細胞・樹状細胞もエフェクター細胞として抗腫瘍活性が増強されており、DGKζ阻害が複数の免疫担当細胞を標的として抗腫瘍免疫を活性化するメカニズムを解明し、新規がん免疫療法の可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、DGKが新規がん治療標的として、がん細胞増殖だけでなく抗腫瘍免疫に作用して、がんを制御することを明らかにした。この結果はDGKα/ζの制御が新規がん治療として有望である科学的エビデンスを示した。さらに免疫チェックポイント阻害治療のような既存治療との併用治療に適合性があり、臨床応用において既存治療で効果が不十分な腫瘍に対する新たな治療戦略を提供する可能性を示した。
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