研究課題/領域番号 |
19H03736
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
森田 直樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 総括研究主幹 (60371085)
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研究分担者 |
小澤 岳昌 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40302806)
芳賀 早苗 北海道大学, 保健科学研究院, 特任講師 (60706505)
尾崎 倫孝 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (80256510)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 肝虚血・再灌流傷害 / プログラム細胞死 / 傷害抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
近年アポトーシス以外のプログラム細胞死が多数報告されるようになってきた。個々のプログラム細胞死の詳細が徐々に明らかになり、フェロプトーシス、ネクロプトーシス、パイロプトーシス、パータナトス、さらにはNETosisといった新たな概念の細胞死が報告されるようになった。このように、細胞死の概念の変化とともに新たな段階に入っている。今回、肝虚血再灌流傷害に関して、これら新たなタイプの細胞死の本病態への関わりと傷害の持続・増幅に関するメカニズムを検討し、これまでとは別の新たな観点から効果的な虚血再灌流傷害抑制法を探求する。
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研究実績の概要 |
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)は、核DNAに生じた一本鎖切断端を認識してDNA修復関連タンパク質にポリ(ADP-リボース)[PAR]を結合する酵素である。通常、PAR化はDNA修復反応を活性化するが、過度のPARPの活性化は、ミトコンドリアに局在するアポトーシス誘導因子(AIF)の切断を誘導し、切断され たAIFが核に移行し、核DNAの断片化を引き起こし細胞死を誘導することが知られている(パータナトス)。このPARPの活性化は、これまで様々なプログラム細胞死(アポトーシス、ネクロプトーシス等)との関係が報告されているが、その病態的な意義はまだよくわかっていない。本研究は、臓器の虚血再灌流傷害抑制の観点から、PARPと各種細胞死や炎症との関係について明らかにすることを目的とした。 これまでの研究によって、マウス肝細胞株AML12細胞では、低酸素・再酸低酸素化によりPARPは活性化され、活性化したPARPによりプログラム細胞死の一つであるパータナトスが誘導される可能性が示されている。今年度はPARP活性化とネクロプトーシスの関係を検討した。低酸素・再酸素化によりRIP1-RIP3結合(つまり、ネクロプトーシス細胞死)は促進される一方、このRIP1-RIP3結合はPARP阻害剤及び抗酸化剤投与で有意に抑制されることがわかった。この結果は、パータナトス同様に、PARPが関与するネクロプトーシスは酸化還元(レドックス)状態に依存し、活性化したPARPによりプログラム細胞死の一つであるネクロプトーシスといったプログラム細胞死も誘導されている可能性を示すものである。また、このメカニズムを検討するためにin vitroの低酸素・再酸素化モデルを用い、肝細胞株、肝マクロファージ細胞にて詳細な解析を進めた結果、炎症に関与する遺伝子発現に関与するPARPの機能が細胞種毎にで異なっている可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
光プローブを用いた解析結果と阻害剤を用いた解析結果の解釈に矛盾が生じることが判明した。研究遂行上、この原因を追究することは不可欠であるため、追加して検討を進めた。このため研究の進捗はやや遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度研究を進めた肝虚血再灌流後の炎症とPARP、そしてPARP活性化とプログラム細胞との関係を解析するためのプローブの研究を進める計画である。 炎症とPARPについては、引き続きin vitroレベルにて、この先は特に炎症誘導刺激系をもちい、各々の細胞の炎症誘導におけるPARPの役割を明らかにし、詳細な肝傷害を引き起こす炎症誘導の機序の解析を行う。 一方、光プローブの検討は、パータナトス誘導系光プローブの研究を引き続き進める。これまでの解析結果、阻害剤を用いた解析結果を再検討した上で、光プローブの機能解析及び阻害剤を用いた解析を再度実施し、この機能性確認を進める。この確認がなされたのちに肝虚血・再灌流による肝傷害のメカニズム解析への応用を進める計画である。
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