研究課題/領域番号 |
19H03737
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
碓氷 章彦 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (30283443)
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研究分担者 |
荏原 充宏 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, グループリーダー (10452393)
宇都 甲一郎 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (30597034)
加藤 竜司 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (50377884)
成田 裕司 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60378221)
緒方 藍歌 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (70718311)
蟹江 慧 名古屋大学, 創薬科学研究科, 助教 (80636407)
六鹿 雅登 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80447820)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | 大動脈瘤 / ペプチド / 抗炎症作用 / マクロファージ / 一酸化窒素 / 間葉系幹細胞 / SLPI / 炎症 / 抗炎症 / リコンビナントタンパク / シグナル伝達 / リン酸化 / DDS / ドラッグデリバリーシステム / 低侵襲治療 |
研究開始時の研究の概要 |
大動脈瘤に対する人工血管置換術は侵襲が大きく、新たな低侵襲な治療法の開発が望まれる。我々は、これまでに間葉系幹細胞(MSC)静脈内投与による大動脈瘤治療の有効性を示してきた。治癒メカニズムにはMSCのパラクライン作用が示唆され、MSC産生因子の中に抗炎症作用・組織修復に関わる因子としてProgranulin(PGRN)およびSLPIを同定し、それらによる大動脈瘤治療効果の可能性を見出した。 本研究は、リコンビナントタンパクPGRN, SLPI投与による効果検証を行ったのち、合成ペプチド医薬として大動脈瘤治療の検討を行い、ペプチド医薬としての有効性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
大動脈瘤は破裂すると死に至るため、破裂予防のために人工血管置換術が行われるが、侵襲が大きく新たな低侵襲治療法の開発が求められる。間葉系幹細胞が産生する白血球型セリンプロテアーゼ阻害因子(SLPI)は、大動脈瘤モデルマウスにおいて抗炎症作用を介した瘤径拡大抑制効果を示し、SLPIのアミノ酸配列から設計した3-4残基ペプチドは、炎症性マクロファージが産生する一酸化窒素(NO)の産生抑制がみられ、SLPIを模倣したペプチド医薬創出の可能性が示唆された。しかし効果が弱かったため、培養条件や評価系の見直しが必要であることが判明した。見直した培養条件と評価系は、ペプチド探索に有用であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においてSLPIタンパク投与により大動脈瘤径拡大抑制効果が示されたことから、研究成果には医学的意義および社会学的意義があると考える。タンパク医薬は効果は期待出来る反面、高価で抗原性・免疫刺激性の問題もある。一方、ペプチド医薬は、比較的安価で化学合成でき、抗原性がなく生体への安全性は高い。その一方でタンパクに比して効果が減弱される可能性がある。我々が設計したSLPI模倣性短鎖ペプチドは、抗炎症作用を示したものの効果が弱く、評価の見直しが必要となった。しかし、再検討により得られた結果は、ペプチド医薬創成のための基礎研究として学術的意義を持つと考える。
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