研究課題/領域番号 |
19H03749
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
住谷 昌彦 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80420420)
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研究分担者 |
阿部 博昭 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70822815)
穂積 淳 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (70824192)
東 賢志 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (80522292)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 精密医療 / がん性疼痛 / P2Y12受容体 / リゾホスファチジン酸 / ゲノムワイド関連解析 / 一塩基多型 / 遺伝子多型 |
研究開始時の研究の概要 |
網羅的ゲノム(DNA)情報と疾患コントロールを結びつけ病態解明と治療の最適化を図るPrecision Medicine(精密医療)を展開する。1.疼痛重症化因子のP2Y12受容体ついて、血小板P2Y12受容体機能とがん開腹術後痛の重症度および鎮痛薬必要量の関連解析から術後疼痛管理の最適化予測指標の開発。2.神経障害性疼痛の発症・重症度規定因子であるリゾリン脂質(LPA)について遺伝子多型解析からがん化学療法誘発性末梢神経障害の発症・重症化機序を解明。3.網羅的遺伝子解析によるがん関連疼痛(特にがん化学療法誘発性末梢神経障害)の新たな疼痛重症化因子および治療反応性規定因子について探索。
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研究成果の概要 |
本研究では緩和ケア領域におけるがん関連疼痛に対する精密医療を実現に向けた臨床研究を行った。1)P2Y12受容体機能ががん開腹術後痛の重症度および鎮痛薬必要量の関連解析を行い、術中オピオイド使用量と相関が示されたが術後痛の指標との相関は示されなかった。P2Y12受容体遺伝子多型は痛みと鎮痛薬感受性と関連した。2)LPA受容体1-6遺伝子の一塩基多型の関連解析を行いLPA受容体1上の遺伝子多型ががん化学療法誘発性末梢神経障害の発症に関連することを明らかにした。3)網羅的一塩基多型解析によるがん関連疼痛の新たな疼痛重症化因子および治療反応性規定因子について探索し複数の新規分子が発見された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん性疼痛は進行がんだけでなくがん治療に伴う痛みとして概念が整理された。疼痛の重症度機序に応じた新規鎮痛薬の開発が求められており、また、痛みが発症した際のオピオイド使用量には個人差が大きいため、患者個人に応じたオピオイド必要量の予測や疼痛重症化の予測が出来ればオピオイド必要量が適正化されると考えられる。本研究では、これらの目的に対して、遺伝子多型や血液中のバイオマーカー計測により実現できる可能性を示した。本邦ではがんの罹患率が2人に1人と極めて多く、本研究を基盤として臨床検査や新規鎮痛薬の実現できれば社会的意義は極めて高いと言える。
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