研究課題/領域番号 |
19H03754
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60275328)
|
研究分担者 |
恵川 淳二 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00453168)
内藤 祐介 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00623498)
西和田 忠 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20649165)
澤端 章好 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (50403184)
川西 秀明 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 技師 (60835784)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
城戸 顕 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70382306)
吉川 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (80271203)
位田 みつる 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (90623497)
中瀬 裕之 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10217739)
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (50295789)
田中 優 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90448770)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
|
キーワード | 周術期管理 / 術後機能障害 / プレハビリテーション / 栄養管理 / 術後生活機能 / 周術期合併症 / 手術 / 麻酔 / 生活機能 / 術後合併症 / 栄養障害 / WHODAS2.0 / 術後神経機能障害 / 肺外科手術 |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究として予定手術患者4000例を対象に、術後生活機能障害に関するコホート研究を実施 し、術後3か月のアウトカムについて検証している(平成31年3月で終了)。 本研究課題では、上記研究のエントリー患者4000例の術後1年及び術後5年での生活機能の変化について調査し、術後生活機能低下に関連する因子を明らかにした上で、術後1年の生活機能障害リスクの予測式を作成し、その精度について検証する。 運動・栄養・禁煙・呼吸療法からなるプレハビリテーションプログラムを呼吸器外科手術100例に実施する。プログラムの確立と実施可能性、身体機能や術後生活機能への影響を検証する。
|
研究実績の概要 |
手術後の生活機能を維持することは重要な課題であり、本研究では術後1年および5年の生活機能の評価を実施し、調整可能な関連因子を抽出する。関連因子に対し、術前からのプレハビリテーションとして介入できる方法について検討する。予定の非心臓血管手術を受けた患者で術後1年後の生活機能評価が可能であった2797例と術後1年までに死亡した124例の計2921例を対象に、術後1年の機能障害発生と関連する因子を検討した。結果、417例 (14.3%)が機能障害または死亡であった。年齢、BMI≧30、術前の脳血管障害、悪性疾患、拘束性肺障害、ステロイド内服、低アルブミン、低栄養が障害発生と関連する因子であった。この内、調節可能な因子は、栄養障害と肥満であり、術前からの栄養管理の重要性が示唆された。術後5年目の生活機能の評価は2021年4月より電話および郵送法により調査を開始した。術後5年後のフォローアップとして、2016年4月~2017年12月に手術を受けた患者2636名を対象に、1823名からデータ収集可能、107例で辞退、375例で死亡、331例で回答がなかった。術後5年後でも80%以上の患者で調査が実施できていた。肺外科手術を対象とした術前からの運動・栄養療法からなるプレリハビリテーションに関する前向き無作為比較試験を、2020年2月よりエントリーを開始した。新型コロナ感染症の拡大のため、外来受診の制限などにより、研究候補者233名のうち組み入れられたのは40名で、完遂者は15名であった。現在のプロトコールの問題点として、患者募集の方法や複数回の通院の困難性などが考えられ、患者や家族の負担を軽減できる遠隔のプレハビリテーションプログラムの構築が必要と考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
術後5年目の生活機能の評価は2021年4月より電話および郵送法により調査を開始した。術後5年後のフォローアップとして、2016年4月~2017年12月に手術を受けた患者2636名を対象に、1823名からデータ収集可能、107例で辞退、375例で死亡、331例で回答がなかった。術後5年後でも80%以上の患者で調査が実施できていた。データ収集は、計画どうりに進んでいる。肺外科手術に対するプレハビリテーションについては患者リクルートは遅延していただが、実施体制の問題点を明らかにしたうえで、遠隔プレハビリテーションプログラムの構築が進んでいる。臨床にフィードバックできる体制のモデルに提供できる可能性が高い。
|
今後の研究の推進方策 |
術後5年目の生活機能の評価は2021年4月より電話および郵送法により調査を開始している。術後5年後のフォローアップとして、2016年4月~2018年12月に手術を受けた患者を対象にデータを収集する。データ収集は2023年12月までで、2024年3月までに収集が完了する予定である。現時点でも、80%以上の患者で調査が実施できている。術後3か月、1年、5年での術後機能障害の発生、慢性痛、死亡などの状況を評価する。また、5年後での機能障害のない生存に関連する因子について検討し、予後良好例についての関連因子を明らかにする。 術前から介入可能な方法に関する検討として、遠隔プレハビリテーションプログラムの実施可能性の検討を実施する。遠隔プレハビリテーションでは、管理栄養士による遠隔での栄養管理、アプリケーションを用いた脳トレーニング、運動についての情報共有と運動量の評価を実施する。対象として、呼吸器外科手術に加え、下腹部手術(消化器外科、泌尿器外科)、口腔外科手術の患者を追加し、患者リクルートメント数を推進する。
|