研究課題/領域番号 |
19H03757
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松田 直之 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50332466)
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研究分担者 |
服部 裕一 北海道医療大学, その他, 客員教授 (50156361)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 敗血症 / 遺伝子治療 / STAT3 / 炎症性サイトカイン / IL-6 / JAK2 / 炎症 / STAT-3 / 多臓器障害 / 敗血症 多臓器不全 / 多臓器不全 / 核酸医薬 / 転写因子 |
研究開始時の研究の概要 |
本年度の本研究では,「敗血症動物モデル」および「ヒト培養細胞」の2つの研究系で,IL-6,およびIL-6受容体シグナルを以下の2内容を中心として解析する。 ① 敗血症病態で血中濃度の上昇するIL-6が,「どの細胞に作用し」,「どのような作用をもたらすか」を,IL-6受容体シグナルを持つ細胞の同定として明らかとする。 ② IL-6受容体シグナルで活性化される転写因子STAT-3を,デコイ核酸などの遺伝子治療で抑制し,敗血症におけるSTAT-3の役割を明確とする。
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研究成果の概要 |
盲腸結紮穿孔によるマウス敗血症モデル(CLP)において,STAT3上流のJAK2の活性が高まり,時系列でSTAT活性が高まること,そして合成二本鎖STAT3デコイオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)のin vivo導入がCLPマウスの臓器損傷を低下させることを確認した。 STAT3デコイODNは、CLPマウスにおける炎症性サイトカイン/ケモカインの過剰産生を減少させ,さらに HMGB1などの炎症性分子の産生を肺や肝臓で有意に抑制した。この結果は、敗血症におけるSTAT3の役割を明確とし,敗血症の遺伝子治療におけるSTAT3デコイODNの潜在的な有用性を示唆する結果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症は,さまざまな病気に合併し,臓器障害を進行させる病態である。本研究は,敗血症における転写因子STAT3の役割を,敗血症モデル動物の時系列で評価し,敗血症における遺伝子治療として転写因子STAT3をターゲットとした創薬科学の潜在的な有用性を示す結果となった。敗血症の新規治療薬として,IL-6受容体シグナルを制御することの提案となる学術的意義と,今後の創薬科学における社会的意義があると考えられた。
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