研究課題/領域番号 |
19H03758
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
塩崎 忠彦 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60278687)
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研究分担者 |
竹川 良介 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (30759577)
射場 治郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (40570536)
酒井 智彦 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (50456985)
舘野 丈太郎 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (50747152)
廣瀬 智也 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (70597509)
大西 光雄 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (70597830)
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50196474)
吉矢 和久 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (40379201)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 心肺蘇生 / 脳酸素飽和度 / rSO2 / パルスチェック / 救急救命士 / 病院前診療 / HAND ai TOS / 蘇生後低酸素脳症 / 救命士 |
研究開始時の研究の概要 |
日本では年12万人以上の患者が突然の心停止を発症しているが、神経学的後遺症を残 さずに回復できる症例は未だに稀である。 我々は、近赤外光による無侵襲脳内酸素飽和度(以下rSO2)測定に注目し、2007年心肺蘇生時の測定に成功した。以後、米国心臓協会学術会議(AHA)で毎年研究成果を公表し続けている。さらに、蘇生後低酸素脳症患者の治療成績を改善するためには、病院搬送前からの治療開始が何よりも重要であると考え、プレホスピタルで使用できる携帯型の脳内rSO2モニターを開発した(特許取得2016年)。 これら一連の研究成果を基に、『研究の目的』で記した3つの研究を行う。
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研究成果の概要 |
心肺停止患者における脳酸素飽和度連続測定を、救急隊員が現場から開始し、87症例が蓄積された。多変量解析を行った結果、rSO2上昇群では、病院前自己心拍再開率と病院到着時生存率が有意に高いことを明らかにした(Resuscitation Plus 2021)。 『2分毎のリズムチェックは本当に必要なのか?』を実証する多施設研究(Triple CPR 16 study)を2020年3月に無事終了した。『心肺蘇生に際して2分毎のリズムチェックは必ずしも必要でない』ことを明らかにした。蘇生学の世界最高峰であるResuscitation誌(2021年12月号)に掲載され、世界中から称賛された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2022年3月の時点でも、現場から心肺停止患者のrSO2連続測定をできるのは、世界中を見渡しても我々が独開発したrSO2測定装置(HAND ai TOS)だけである。救急隊員が中心となって測定、考察、発表を行ったものであり、医学会は勿論のこと、消防関係からも非常に高い評価を得ている。 『心肺蘇生に際して2分毎のリズムチェックは必ずしも必要でない』ことを明らかにした。心肺蘇生の原則である『絶え間ない胸骨圧迫』と『2分毎のリズムチェク』は二律背反で完全に矛盾しているが、長い心肺蘇生の歴史の中で、誰も異議を唱えてこなかった。我々は、ここに世界で初めてメスを入れ、旧態依然とした心肺蘇生法に一石を投じた。
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