研究課題/領域番号 |
19H03759
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 (2020-2021) 大阪大学 (2019) |
研究代表者 |
山川 一馬 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (50597507)
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研究分担者 |
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70301265)
藤見 聡 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター(臨床研究支援センター), 救急診療科, 主任部長 (70362720)
谷口 高平 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70779686)
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50196474)
吉村 旬平 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター(臨床研究支援センター), 救急診療科, 医師 (30835202)
松原 庸博 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (70747154)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 制御性T細胞 / 外傷 / マスサイトメトリー / CyTOF / COVID-19 / 免疫応答 |
研究開始時の研究の概要 |
外傷や大手術など高度な生体侵襲を受けた患者では、複雑な生体反応が惹起され免疫系 の恒常性が破綻する。それら過大侵襲を受けた際に重要な働きをするのが、免疫寛容の中心をなす制御性T細胞である。本研究は、制御性T細胞がいかにして外傷後の免疫恒常性の維持に寄与するか、その動態制御機序を解明することを目的とする。CyTOFマスサイトメトリーを用いた網羅的細胞解析を用い、基礎研究・臨床研究の両面から外傷後の免疫恒常性破綻の本質解明にアプローチする。外傷後の遅発死亡の軽減を目指し、制御性T細胞を介入点とし免疫恒常性バランスをターゲットとする新たな治療戦略構築へ向けた方向性を提示する。
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研究成果の概要 |
外傷後の免疫応答の根幹となるメモリーTregの動態制御を検証した。養子細胞移植マウス外傷実験では、二次外傷に反応したTregは免疫記憶マーカーを強く発現し、メモリーTregとして外傷特異的な免疫記憶機能を持っていた。CyTOF解析によると、二次外傷に反応したメモリーTregはGITR、CTLA-4、ICOS、Heliosなど特定の抗原発現が増強されていた。一連の反応は、MHCクラスIIによるT細胞受容体シグナル経路が関与していた。外傷患者検体の臨床的検討では、マウスで同定した外傷特異的メモリーTregに極めて類似したTregフェノタイプが増加し、受傷後90日目まで持続発現することが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、外傷受傷後の過剰炎症と過剰抗炎症のアンバランスが生じるメカニズムの一端について、動物モデルを用いた基礎研究ならびに臨床サンプルを用いた臨床研究の両面から明らかとした。炎症・抗炎症のバランス最適化を、Tregの活性化および反応性の調節により行うことができれば、これまで克服不可能であった外傷後亜急性期以降の死亡軽減に大きく寄与することが期待できる。今後は、外傷後のメモリーTregに関する更なる動態制御機序の解明と、将来のTregを介入点とする新たな治療戦略構築へ向けた研究を継続する。
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