研究課題/領域番号 |
19H03764
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
田中 裕 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (90252676)
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研究分担者 |
岩渕 和久 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (10184897)
中村 有紀 順天堂大学, 医学部, 助手 (30621891)
岡本 健 順天堂大学, 医学部, 教授 (40347076)
平野 洋平 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70621895)
石原 唯史 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70648295)
近藤 豊 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90642091)
末吉 孝一郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90648297)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | 敗血症 / コロナウイルス感染症 / 熱中症 / 補体 / 多臓器不全 / 血小板微小血栓症 / 補体活性化 / 凝固障害 / 血栓性微小血管症 |
研究開始時の研究の概要 |
多臓器不全は大きな侵襲や重篤な感染症が契機となることが多く、治療に難渋しその死亡率も未だ高い。生体侵襲時には補体活性化が生じ、TMAが引き起こされる。TMAは全身臓器の微小血管の血栓形成と、血管内皮細胞障害を呈する。しかし生体侵襲時の補体活性化による多臓器不全の機序については明らかでない。 本研究目的は侵襲時の多臓器不全の病態を補体活性化によるTMAという新たなる視点から解明することである。侵襲時における、(1)補体活性の定量評価、(2)TMAとの関連、(3)補体活性化と白血球・血小板連関、(4)補体活性の制御による多臓器不全抑制の検討を行う。
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研究成果の概要 |
救急外来受診患者22,999人の検討から約1%にTMA様所見が認められた。また熱中症患者32名の血液中のC3a、C5a、Ba、および sC5b-9を、また補体制御因子としてFactor H、sCD59をELISAにて測定し、Ⅱ度およびⅢ度熱中症では補体が活性化することが明らかとなった。またsCD59は熱中症の重症度と相関し、重症度のバイオマーカーとなり得ることが示唆された。また、敗血症患者31名、COVID-19患者30名の血液を用いで同様の測定を行ったところ、補体は敗血症患者およびCOVID-19患者で活性化し,多臓器不全の原因となることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症、コロナウイルス感染症、熱中症では多臓器不全が引き起こされ予後を左右する。多臓器不全の発生のメカニズムが明らかでないため、その予防および治療は未だ確立されていない。申請者らは補体の過剰な活性化がその原因の一つであると考えた。今回、敗血症、コロナウイルス感染症、熱中症の患者の血液を用い評価した。いずれの病態においても補体が活性化していることが確認され、多臓器不全の原因の一つであることが示唆された。特に熱中症において、補体調整因子の一つである可溶性CD59が重症度の指標となるバイオマーカーであることが明らかとなり、予後予測因子となることが示唆された。
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