研究課題/領域番号 |
19H03765
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊東 雅基 北海道大学, 大学病院, 助教 (10399850)
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研究分担者 |
藤村 幹 北海道大学, 医学研究院, 教授 (00361098)
内野 晴登 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (40775144)
佐藤 典宏 北海道大学, 大学病院, 教授 (50360912)
矢部 一郎 北海道大学, 医学研究院, 教授 (60372273)
杉山 拓 北海道大学, 大学病院, 講師 (70748863)
寳金 清博 北海道大学, -, 総長 (90229146)
中山 若樹 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (40421961)
数又 研 北海道大学, 大学病院, 講師 (60634144)
東海林 菊太郎 北海道大学, 大学病院, 医員 (70883164)
浜内 祝嗣 北海道大学, 医学研究院, 助教 (70794387)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | Moyamoya disease / circulating microRNA / blood biomarker / epigenome / もやもや病 / 発症素因 / 病態修飾因子 / 血漿microRNA / エピゲノム / RNF213 / 創始者変異 |
研究開始時の研究の概要 |
RNF213遺伝子は、もやもや病の遺伝的素因を規定する感受性遺伝子の一つであるが、発病に至る病態は未だ解明の途上である。我々はmicroRNAが制御するエピゲノム環境が、発症素因を修飾して、もやもや病の発病機序に関与するとの仮説を立てた。先行研究で同定したもやもや病特異的血漿microRNAが、もやもや病の血液診断マーカーとなりうるか?、レジストリ・生体試料・ゲノムバンクを利用して包括的に検証する。ハイリスク患者のスクリーニングと先制医療開発のシーズとなることが期待できる。
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研究実績の概要 |
研究年度の3年目にあたる2021(R3)年度は、前年度末に完了した全対象者160名(もやもや病患者82名、健常比較対照者78名)の末梢血循環血漿から抽出精製した、血漿microRNAの発現量データの解析を行なった。すなわち、ハイスループットreal-time定量PCRアレイにより、関心microRNA17種類と内部および外部標準7種類(全24種)のmicroRNAのPCR測定値を、比較定量法により発現分析した。全160検体、24microRNAのうち、全被験者でCt値を検出可能であったのは、15microRNA(関心miRNA 8種類と内部および外部標準7種類)であったため、これら15microRNAの全発現量を用いてglobal normalizationによりdataの正規化をおこなった。続いて、15種の血漿microRNA発現profileを主成分分析により解析した結果、発現変動は第一主成分と第二主成分で二郡に分かれ、疾患群と比較対照群間で発現プロファイルに差があることが判明した。続いて、疾患群と対照群で関心microRNAの発現変動解析を実施した結果、3種類の関心microRNAで、二郡間での有意な発現変動を認めた。そのほかの関心microRNAについては、全体として発現量が極めて少ないためか、先行研究で認めた発現変動を確認できなかった。続いてmicroRNA発現量と、もやもや病の臨床的特徴との関連解析を開始した。その結果、microRNA発現量に関わらず、RNF213創始者変異(p.R4810K)を有する成人もやもや病患者では、直接・間接複合血行再建術後に、間接血行再建路が有意に発達することを見出した。間接血行再建路を介した血管新生反応には、microRNAによるエピゲノム制御ではなく、感受性遺伝子の遺伝的多型が関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの遅れを大幅に取り戻し、2021年度までに実施・完了予定であった、もやもや病臨床病型や、もやもや病感受性遺伝子多型(創始者変異)と、上述の発現変動microRNAの関連解析を実施することができた。ただし、もやもや病で特異的に発現変動を示す末梢循環microRNAの意義を見出すには、より様々な臨床的に認められるもやもや病の特徴量と、血漿microRNA発現量との関連解析を行う必要があり、一定量の解析を次年度も継続する必要があることが今後の課題である。第一に、2021年4月に研究代表者の伊東雅基が、前任地の釧路労災病院から北海道大学に異動したため、エフォート配分量全体に変化を生じ、さらに、新型コロナウイルスの広がりに伴い、業務内容の追加・変更が重なり対応を要するエフォートが予定外に生じたこと(大規模ワクチン接種会場への協力業務、従来の対面授業からweb配信授業への変更に伴い生じた教材準備)が、研究に遅れが生じた理由である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き様々な臨床的に認められるもやもや病の特徴量と、血漿microRNA発現量との関連解析を継続する。さらに、これら臨床的に重要なmicroRNA機能解析の最終検証に入る。もやもや病の診断バイオマーカーとしての意義、もやもや病の周術期や臨床病型、予後といった 病態マーカーとしての意義を見出すために、microRNAが制御する炎症性あるいは、免疫応答に関わるサイトカインの血漿中での発現解析を行う予定である。今年度はその評価系の確立とサイトカイン定量行う。
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