研究課題/領域番号 |
19H03769
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
木内 博之 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30241623)
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研究分担者 |
小泉 修一 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10280752)
吉岡 秀幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20402076)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 脳梗塞 / 脳虚血耐性 / グリア細胞 / アストロサイド / ミクログリア / 虚血性神経細胞障害 / ATP / 虚血性神経細胞傷害 |
研究開始時の研究の概要 |
虚血耐性は軽微な虚血の前負荷により、引き続く致死的負荷に対して抵抗性を獲得する現象であり、その強力な神経細胞保護効果は、脳梗塞治療開発の観点から注目されている。従来神経細胞のみをターゲットにした研究がなされてきたが、これのみでは説明が困難であり、神経系全体に視点を移した研究の必要性が近年示唆されている。一方、生体エネルギー通貨のアデノシン三リン酸(ATP)は、その受容体を介し、神経細胞同士または神経細胞グリア細胞間の情報伝達物質としても機能する。本研究では、脳虚血耐性現象におけるATP受容体シグナル経路を介した細胞内および細胞間分子情報伝達機構を検討する。
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研究成果の概要 |
虚血耐性現象においてミクログリアやアストロサイトなどがP2受容体などでクロストークを行いながら、各々の形質を変化させ、保護効果を発揮すると予測されるが明らかとなっていない。これをマウス一過性中大脳動脈閉塞(MCAO)モデルにおいて,コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)拮抗薬(PLX5622)によって誘導される薬理学的ミクログリア枯渇が,preconditioning後の神経保護効果およびアストロサイトの活性化を惹起できるかどうかを検討した。その結果、アストロサイト誘導性虚血耐性現象において、ミクログリアは傷害性アストロサイトの増殖を抑制し、耐性獲得へ寄与するものと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では以下の重要な知見が明らかになった。 1)ミクログリアはpreconditioningによる虚血耐性現象誘導に必須である。2)ミクログリアはpreconditioningを感知し、アストロサイトを虚血抵抗性の表現型へ変化させる。3)ミクログリアは保護反応性アストロサイトを誘導するだけでなく、神経毒性表現型への変化も抑制する。 これらを総合すると、虚血耐性の誘導には、preconditioning時点でのミクログリアの存在と、それに続くミクログリア-アストロサイト相互連関が不可欠であると考えられた。
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