研究課題/領域番号 |
19H03771
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2020-2021) 九州大学 (2019) |
研究代表者 |
岡田 誠司 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30448435)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 脊髄損傷 / 亜鉛 / 二次損傷 / 予後予測 / バイオマーカー / マクロファージ / 細胞生理 |
研究開始時の研究の概要 |
亜鉛は生体にとって必要不可欠な微量元素の一つであり、その欠乏は皮膚症状や免疫機能の異常を引き起こすことから亜鉛シグナルは様々な細胞機能に関わっていることが知られている。しかし、脊髄損傷等の中枢神経外傷の病態に与える影響は全く解明されていない。本研究においては、亜鉛シグナルの制御が新規中枢神経外傷後の治療に繋がるかを検討する。
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研究成果の概要 |
脊髄損傷の病態に於いて亜鉛が与える影響は殆ど解明されていなかった。本研究に於いてセルソーターやレーザーマイクロダイセクションを用いた細胞選択的な発現遺伝子解析を行なった結果、損傷の程度に応じて損傷部の脊髄亜鉛濃度が上昇していること、逆に血清亜鉛濃度は低下していることが明らかとなった。これは、亜鉛トランスポーターZIP8を介したモノサイトにおける亜鉛の取り込みが重要であった。さらに血清亜鉛濃度の測定により、脊髄損傷の最終的な予後を予測できることをマウスモデル並びに臨床データで明らかにした。低亜鉛動物モデルでは脊髄損傷の予後は著しく悪化しており、亜鉛補充が予後悪化を防ぐ鍵となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脊髄損傷に対する治療法が数多く研究されているが、不全麻痺であればかなりの自然回復が見られるため、どの程度が治療による効果か不明であった。我々は、血清亜鉛濃度が予後を予測できるバイオマーカーであることを明らかにすると同時に、低亜鉛状態が脊髄損傷の病態を悪化させることを解明した。これらの結果は、脊髄損傷治療研究に於いて新しい知見を与える有意義な結果であると言える。
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