研究課題/領域番号 |
19H03781
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 憲正 大阪大学, 国際医工情報センター, 招へい教授 (50273719)
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研究分担者 |
弓削 類 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (20263676)
紀ノ岡 正博 大阪大学, 工学研究科, 教授 (40234314)
下村 和範 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (40755998)
落谷 孝広 東京医科大学, 医学部, 教授 (60192530)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 再生医療 / 間葉系幹細胞 / エクソソーム / 変形性関節症 |
研究開始時の研究の概要 |
組織修復において、間葉系幹細胞はパラクライン効果を介して組織修復を促進する効果を有することが知られている。近年、このメカニズムにエクソソームという分泌小胞が関与するすることが判明し、今後、変形性関節症で認められる病態に対してもエクソソームを用いた治療の展開が期待されるが、そのためには安全で、効率が良く、かつ関節破壊を効果的に抑制するエクソソームの調製法の確立が重要である。 本研究の目的は、異なる物理的な培養条件が分泌されるエクソソームの量および質にどう影響するか、そして動物モデルを用い、どの培養条件下で産生、分泌されたエクソソームが最も強く骨軟骨破壊を抑制するのかを明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
脂肪由来間葉系幹細胞(MSC)が分泌するエクソソームを主体とする細胞外小胞(EV)は、培養条件によってサンプル中のエクソソーム含有量や粒子数、タンパク質の組成が大きく異なっていることが判明した。回収したEVサンプルの治療効果は、条件によっては、夾雑物の影響が大きく関与することがわかり、純度の高いEVではビトロ実験において高い治療効果を認めた。高純度EVを用いて動物実験を行ったところ、変形性膝関節症モデルマウスに対して軟骨変性抑制効果が確認できた。本研究により、臨床応用可能な安全で効率的な手法でEVを回収する条件を確立させることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
間葉系幹細胞(MSC)は、損傷組織の修復促進効果が知られており、再生医療・細胞治療における優れたソースとして注目を集めている。一方で、MSCが産生するエクソソームを主体とした細胞外小胞(EV)も、MSCと同様の治療効果を示すことが示唆されているが、臨床グレードでの回収法についての詳細な議論はなされていない。本研究では、MSC由来EVを臨床応用するにあたって、安全で効率的な手法でEVを回収する条件を確立させ、本手法を用いて得られたEVが高い治療効果を有していることを明らかにした。本研究は、今後のEV臨床応用に向けた基礎となる研究であり、得られた成果の社会的意義は非常に高いと考える。
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