研究課題/領域番号 |
19H03782
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中田 研 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00283747)
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研究分担者 |
前 達雄 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (10569734)
金本 隆司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20512049)
辻井 聡 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70898014)
下村 和範 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (40755998)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 変形性関節症 / メカニカルストレス(力学刺激) / 炎症性サイトカイン / 組織変性 / 網羅的遺伝子解析 / 力学刺激 / 網羅的遺伝子発現解析 / メカニカルストレス・力学刺激 / 炎症 / 基質分解 / 疼痛関連因子 / インテグリン / マトリックスメタロプロテアーゼ / 関節症 / 繰り返し圧縮刺激 / コラーゲン |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、独自開発した実験系(コラーゲンスポンジ培養担体と力学刺激装置)を用いて、ヒト培養滑膜・軟骨細胞の三次元力学刺激培養が、PGE2などの炎症メディエーター、マトリックス分解酵素(MMP)の産生を促進すること、さらには疼痛関連分子(NGF、Tac1)の遺伝子発現を促進することを見出した。その際、関節炎の病態で重要と考えられているIL-1βやTNFα経路の関与が少ないことから、メカニカルストレスが関節の恒常性及び変性に関与する未知の新たな機構が存在すると考えている。前述の実験系で、PGE2/NGF/MMP産生を指標として用いて、メカニカルストレスが関節症の病態に関与する機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
変形性関節症(OA)の病態におけるメカニカルストレス(力学刺激)の関与について、複数の新知見を得た。まず、関節軟骨由来細胞の三次元培養にアテロコラーゲンゲルを用いることによる遺伝子発現および細胞挙動の変化についての知見を得た。三次元培養下のヒト関節軟骨細胞へのメカニカルストレスが、炎症メディエーターやマトリックス分解酵素、疼痛関連分子の遺伝子発現を促進し、一部のOA関連因子の遺伝子発現は、炎症性サイトカイン刺激とメカニカルストレスによって相乗的に促進されることを示した。関節内組織の変性を定量化する手法を新規に考案し、組織変性と遺伝子発現及び炎症性サイトカイン分泌の関係についての知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メカニカルストレス(力学刺激)は、変形性関節症(OA)発症・進行の重要な要素とされるが、未知な点も多い。本研究課題の研究成果の意義としては、ヒト関節軟骨細胞がメカニカルストレスを受けた場合に活性化または抑制される複数の分子経路が抽出されたことが上げられる。診断または治療のためのターゲットを選定するための活用が期待される。また、組織変性と外的刺激への反応の関係が明確に示されたことは、変性疾患の病態解明のための新たな視点を提供することになると認識している。
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