研究課題/領域番号 |
19H03790
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 恭 京都大学, 医学研究科, 教授 (00642406)
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研究分担者 |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 名誉教授 (90260611)
吉野 喬之 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (40734348)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 浸潤性膀胱癌 / マウスモデル / 遺伝子改変マウス / CRISPR/Cas9 |
研究開始時の研究の概要 |
膀胱癌は膵癌や食道癌と同様、病態解明や新規治療の開発が遅れており、新規の抗PD1/PD-L1抗体による腫瘍免疫(IO)治療に関する研究も進んでいるとは言い難い。その最大の要因の一つとして、有用な動物モデルが不足していることが挙げられる。本研究では、膀胱癌マウスモデル研究の経験と多数例の膀胱癌患者の手術検体を有する環境を活かし、ヒト膀胱癌の病理学的・遺伝学的特徴を再現可能な新規のマウスモデルを樹立し、新規治療モデルの効果を本モデルマウスで評価し活用可能性を検討することを目指す。本研究成果は膀胱癌をはじめとした癌研究の発展に大きく貢献する可能性を有する。
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研究成果の概要 |
膀胱癌の真のドライバー遺伝子や起源細胞は十分に解明されておらず、治療薬研究に有用な動物モデルが不足している。我々は、マウス膀胱化学発癌モデルを用いた予備実験から起源細胞をKrt5陽性細胞と定め、ヒト膀胱癌とマウス膀胱化学発癌モデルに共通の変異遺伝子をドライバー遺伝子の候補として抽出した。 そこで、Krt5陽性細胞特異的にTrp53変異とCas9を発現する遺伝子改変マウスを作成し、Pten・Kmt2cのsgRNA搭載アデノ随伴ウイルスを膀胱注入することで膀胱Krt5陽性細胞特異的にPten・Kmt2cノックアウトする実験系を確立した。その結果、一部のマウスで膀胱発癌を確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究成果により、膀胱尿路上皮へのウイルスベクター感染効率の最適化を達成し、標的細胞特異的に遺伝子編集を誘導する実験系が確立された。少数ながら発癌を確認することができたが、現状では遺伝子編集効率が悪く、安定したマウスモデル樹立には至っていない。現在、オルガノイド技術を用いたより高確率で腫瘍形成するモデルの作成に取り組んでおり、一部の遺伝子型で腫瘍形成を確認している。今後、安定的に供給できる膀胱癌モデルが確立できれば、投薬実験を通じた薬剤耐性メカニズムの解明や新規薬剤の開発が期待される。
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