研究課題/領域番号 |
19H03807
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
富田 浩史 岩手大学, 理工学部, 教授 (40302088)
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研究分担者 |
金子 武人 岩手大学, 理工学部, 准教授 (30332878)
菅野 江里子 岩手大学, 理工学部, 准教授 (70375210)
田端 希多子 岩手大学, 理工学部, 特任准教授 (80714576)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 光遺伝学 / 遺伝子治療 / アデノ随伴ウイルスベクター / 網膜色素変性症 / 加齢黄斑変性症 / オプトジェネティクス / 視覚再生 |
研究開始時の研究の概要 |
オプトジェネティクス技術を用いた視覚再生法は、失明者の視覚を回復させる治療法として期待されている。今回、新たに、照射する光波長によりイオンチャネルの開閉を制御できるタンパク質を開発することに成功し(SFO:ステップ関数型チャネルロドプシン)これを用いることにより、より高度な視機能を遺伝導入によって作り出せる可能性がある。本研究では、性質の異なるSFOを遺伝盲ラットの神経節細胞に導入し、視覚誘発電位を測定し、視覚特性の差異を明らかにする。最も視覚再生に有用な遺伝子についてはトランスジェニックラットを作製し、行動解析により、より詳細な視覚特性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
遺伝的に失明に至るラット(RCSラット)の網膜神経節細胞に、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いてswitCh遺伝子を導入し視覚誘発電位(VEP)を測定したところ、当初の予想に反し、VEPの振幅は小さく、光感受性の増大は見られなかった。光感受性の増大が見られなかったことから、チャネルロドプシンタンパク質の光応答速度が光感受性に関与していることが判明し、新たに、キネティクスに優れたチャネルロドプシンの作製を試み、極低照度の光に応答するComV1の開発に成功した。その結果、ComV1を用いることによって光感受性を高めることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
網膜色素変性症は日本の中途失明原因の第2位に位置し、現在、有効な治療法がなく治療法の開発が待ち望まれている。失明に至った場合の視覚再建法として、オプトジェネティクス技術を用いた遺伝子治療が期待されており、米国ではすでにオプトジェネティクス技術を用いた遺伝子治療臨床試験が行われ、光増幅を行う眼鏡型デバイスを装着することによって、部分的な視覚の回復に成功している。当研究室で新たに開発したComV1遺伝子は日常光に応答する感度を有することから、ComV1遺伝子を用いることにより裸眼で有用な視機能が得られる可能性がある。
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