研究課題
基盤研究(B)
1年目は、下腿リンパ管・鼠径リンパ節・骨盤リンパ節の更なる詳細な解剖学的研究を実施2-3年目に、1年目の詳細な解剖学的情報を用いて、すでに確立してきたICGリンパ管造影法に加えて、ALBリンパシンチグラフィーの手技とリンパ浮腫に対する評価方法を確立する。具体的には、健常者とリンパ浮腫患者を対象とした評価方法の確立のための介入研究となる。これらの診断の標準化は、超早期リンパ浮腫の診断や、術後の評価のための非常に重要なステップとなり、これはリンパ管-静脈吻合術やリンパ節移植術など手術手技に、浮腫の病態に応じた根拠を与えることに結び付く。
下肢リンパ管リンパ節の解剖をICG蛍光リンパ管造影とCTリンパ管造影を用いて明らかにしている。それによると下肢には少なくとも4つの皮膚テリトリー、4つのリンパ管グループ、それぞれに3つのリンパ節が対応していることが明らかになっている。リンパシンチグラフィとICG蛍光リンパ管造影検査の比較を同一患者で行ったところシンチの感度はICGに比べて明らかに低く、特に早期の症例では半分ほどしか検出できないことが分かった。早期には特定のリンパ管グループが障害されやすいこと、進行するにしたがってリンパ管グループの欠損が生じることも分かっている。
本研究により、下肢リンパ系の解剖が皮膚からリンパ節まで明らかになった。その情報はICGやシンチなどの画像検査の手技読影方法を改善させた。その改善された検査手技を持っても、特に早期の症例では、ICG蛍光リンパ管造影検査の方が感度の点で優れていることが明らかになっている。これらの情報は適切な画像診断法を提供し、早期発見に貢献する。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)
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