研究課題/領域番号 |
19H03851
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
日比 英晴 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (90345885)
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研究分担者 |
黒田 健介 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任教授 (00283408)
酒井 陽 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80772425)
藤尾 正人 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (90612804)
岡部 一登 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (50801453)
興戸 正純 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (50126843)
土屋 周平 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20569785)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | 再生医療 / 組織再生 / 再生医学 |
研究開始時の研究の概要 |
劣悪な培養環境に細胞をさらして応答させて得た細胞外小胞により,再生の場にまず抗炎症性環境を導き,つぎに血管内皮前駆細胞を動員して血管網を構築し,さらに骨形成性細胞を動員し,段階的,効率的に骨再生させる方法を新たに創造する.本法により,血管吻合を要する遊離骨移植が適応になるような広範囲区域欠損でも,細胞移植なしの顎骨再建ができると目論む.我々が今まで独自に取り組んできた一連の研究内容が補完でき,組織再生についての知見が体系化できれば,本法は骨以外の組織にも展開する途が開ける.
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研究実績の概要 |
骨髄由来間葉系幹細胞培養上清を利用した組織再生に取り組んで,培養細胞はさまざまな刺激を加えることで骨形成・血管新生に関連する成長因子を多く産生することがわかってきた.本年度の研究目的は物理的,化学的刺激により細胞培養上清の骨形成・血管新生能がどう影響されるかを明らかにすることであった.細胞種はヒト骨髄由来間葉系幹細胞およびヒト歯根膜由来線維芽細胞とし,刺激は細胞培養システム中に加え,任意の条件を設定した.24 時間培養後の細胞および培養上清を回収し,骨形成・血管新生関連因子の発現を遺伝子,タンパクレベルで評価した.またヒト骨芽細胞・ヒト臍帯静脈内皮細胞を使用して上清の石灰化能・管腔形成能についても評価した.さらにマウスの頭蓋骨欠損モデルを用いてアテロコラーゲンスポンジを担体として上清を適用し一定期間後の骨形成・血管新生について組織学的,X線学的に評価した.その結果,いずれの細胞種でも刺激により骨形成・血管新生関連遺伝子の発現が上昇し,関連因子の含有量も増加しており,骨形成・血管新生能は向上していた.大腿骨,頭蓋骨欠損モデルではいずれの細胞種でも刺激により骨形成・血管新生が促進されることを確認した.刺激を加えることで,培養上清の骨形成・血管新生能が向上し,その投与により骨形成・血管新生が促進されることが示された.劣悪な培養環境にさらされた細胞は,生きのびようと反応し生成した物質を含んだ細胞外小胞を放出することを利用して,組織再生に適した合目的な細胞外小胞を調製することができると考える.この細胞外小胞を組織欠損部に適用することにより,動員した内在性の幹・前駆細胞を集積させて組織を再生させる方法を検討することが可能であり,生体内に潜在する組織再生能力を特別な装置なしで高め,引き出すことができるはずであり,本課題の最終目標は十分に実現し得ると確信する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
得られた研究結果を学会で発表することができた.また論文にまとめ投稿中である.
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今後の研究の推進方策 |
培養環境を劣悪にすると,その下に置かれた細胞は,生きのびようと反応し生成した物質を含んだ細胞外小胞を放出する.これを検証し,組織再生に適した合目的な細胞外小胞を調製する.この細胞外小胞を組織欠損部に適用することにより,動員した内在性の幹・前駆細胞を集積させて組織を再生させる方法を検討する.大規模の組織再生には,血管網構築を先行させ,つぎに目的組織を形成させるのが合理的である.この流れは生体内ではカスケード的に制御されている.これを模倣し,目的別に最適化調製した細胞外小胞を適時適所に適用することが検討できる.本課題は骨を対象にし,カスケード的な組織再生を図り,顎骨再建までを目論む.いまでも骨延長法によれば移植なしで大規模な顎骨再建が可能である.生体内に潜在する組織再生能力を特別な装置なしで高め,引き出すことができるはずであり,本課題の最終目標は十分に実現し得ると考える.
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