研究課題/領域番号 |
19H03934
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
飯岡 由紀子 埼玉県立大学, 大学院保健医療福祉学研究科, 教授 (40275318)
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研究分担者 |
杉本 知子 北里大学, 看護学部, 教授 (00314922)
辻 恵子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 准教授 (30338206)
中澤 良子 (大場良子) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80381432)
渡邉 惠 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (40719499)
西村 宣子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (90827677)
廣田 千穂 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 研究員 (80833079)
小倉 泰憲 山形大学, 理学部, 教授 (60623824)
関谷 大輝 東京成徳大学, 応用心理学部, 准教授 (80619213)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 調整 / コーディネート / 多職種連携 / チーム医療 / 看護学 / プログラム開発 / がん看護 / カンファレンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、がん医療を担う看護師を対象に、医療チームの納得を促進するコーディネート力向上プログラムを開発し、その効果を評価することである。コーディネート(調整)の概念分析、カンファレンスの困難に関する質的研究、質問紙調査などの研究を行う。それらの結果を基に、コーディネート力向上プログラムを開発する。看護師を対象にプログラムを実施して、その効果を検証する。プログラムを受講した看護師は、カンファレンスでの困難感が緩和し、コーディネート力が向上することを期待している。また、それによって多職種連携が促進すると考える。最終的には、プログラムを標準化し、大学院教育への導入を検討する。
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研究実績の概要 |
1.看護師の調整力を向上する教育プログラムの開発:これまでの研究成果をふまえ、「看護師の調整力向上プログラム」を開発した。プログラムは、2日間の構成で6つのモジュールから成る。受講対象者の条件、目的・目標を設定した。また、各モジュールには、テーマとキーワードを定め、プログラムツール(講義スライド、ワーク内容)を開発した。受講者の負担軽減のために、時間配分やワーク時のルール設定などを検討した。モジュールには、看護師の調整力、自分の気質・価値観理解、ファシリテーション、交渉力、俯瞰力、全体バランスの調整を含めた。交渉力は、看護師の教育では取り上げられることがほとんどないため、社会心理学の分野などの知識・技術を基に、看護領域に適するよう内容を開発した。臨床で調整力を発揮できるよう、プログラムにはロールプレイングや事例検討など多くのワークを取り入れた。 2.看護師の調整力向上プログラムの実行可能性と効果の検討(パイロットスタディ)の実施:開発したプログラムの実行可能性を確認することと、アウトカム指標の検討を目的とした。対象者は臨床経験6年以上でクリニカルラダーⅢ以上の看護職とし、チラシ配布により公募した。24名の看護職が参加し、2日間のプログラムを全て受講した。調整力を会得するにはある程度の期間を要するため、アウトカム指標を含めたデータ収集は4週間と12週間後に設定した。現在データ分析中であるが、プログラム評価は高く、会場の狭さなどの運営上の課題はあったが、プログラムの実行可能性は確認できたと考える。今後は、データの分析結果を踏まえて、プログラムの改善をはかり、介入研究を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は研究開始当初より新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況により影響を受けながら進めている。本研究は、看護職を対象としており、予備研究段階から対象者への負担を考慮し、調査期間の延長を繰り返しながら研究活動を行っている。当初の計画段階よりはやや遅れているが、看護師の調整力を向上する教育プログラムを開発して、パイロットスタディを実施するまでに至った。今後は、介入研究を行い、プログラムの効果を検討する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、以下の段階を経て、看護師の調整力向上プログラムの効果を明らかにするための介入研究を行う。 1.パイロットスタディの結果を踏まえたプログラムの改善:パイロットスタディ参加者からは、ワークの時間延長の要望があるため、モジュールの内容とともにタイムスケジュールの全体的な見直しを行う。特に、交渉力やファシリテーションのワークを充実するように改善する。また、パイロットスタディでは対象者の経験年数の上限を設定しなかったために、ベテラン看護師が多く参加したため、調整力の修得の実感が得にくいようであった。介入研究に向けて、対象者の条件設定を再度検討する。さらに、プログラム運用に適した会場や環境整備への要望もあるため、プログラム運用時の状況設定を具体的に設定することを検討する。 2.介入研究の実施:対象者は上記の検討を踏まえて募集する。データ収集方法はパイロットスタディと同様とする。アウトカム指標は、パイロットスタディのデータ分析結果をふまえて検討する。統計的分析を行い、看護師の調整力向上プログラムの効果を明らかにする。
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