研究課題/領域番号 |
19H03959
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 ゆかり 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (00306846)
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研究分担者 |
福間 真悟 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60706703)
辰巳 明久 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 教授 (90295634)
佐々木 周作 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (20814586)
塩瀬 隆之 京都大学, 総合博物館, 准教授 (90332759)
池之上 辰義 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (70761443)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 介護予防 / 行動変容 / 健康長寿 / ナッジ / 技術受容 / 後期高齢者 / IoT / 高齢者 / 行動経済 / ビジュアルコミュニケーションデザイン / ビジュアルコミュニケーション / インクルッシブデザイン / 疫学 / 非活動高齢者 / ビーコン / 行動ログ / タブレット / グーグルアンドロイドアプリ / コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、これまで京都府の生涯入居型高齢者施設において、施設内の生活拠点を中心に屋内外30 か所にビーコン受信機を設置し、カード型の発信機を携帯する入居者の行動ログを取得する環境を整えた。
本研究では、この施設において、さらに入居者との日常的なコミュニケーションを可能にするIoTを活用したデバイスの導入を目指す。そのうえで、本人の自由意思のもと行動を変える行動経済学理論を活用した健康行動変容アプローチを試行し、長期縦断的なヘルスデータの分析により多様な高齢者の態様に応じて最適な健康行動変容アプローチの在り方を探る。
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研究成果の概要 |
持続可能な健康長寿社会の鍵は、高齢者の主体的な健康行動変容にあり、本研究は高齢者の主体的な行動変容に行動経済学のナッジが寄与するかを検証した。高齢者の技術受容の課題を考慮したデジタルインフラを整備した高齢者コミュニティにおいて、「損失回避」フレームとコミットメントの2段階のナッジメッセージと高齢者の行動の関連を無作為化対照試験にて検証した結果、ナッジの効果は小さいが、数か月間にわたって持続すること、その効果は男性に顕著にみられることがわかった。本研究の結果は、これまでエビデンスがなかった後期高齢者に対するナッジの有用性を示しており、今後健康行動変容アプローチに活用できる可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、損失回避フレームの活用やコミットメントを促すことにより、高齢者の行動は変容し、その効果は数か月間に及ぶ可能性を示した。このことは、地域高齢者に対する保健事業のアウトリーチにおいて活用できる可能性がある。保健事業を効果的に実施するためにポピュレーション全体へのアプローチから、ハイリスク者層にターゲットを絞るアプローチまでさまざまな工夫がされているが、呼びかけ応じて参加する高齢者は固定化していることが知られている。高齢者の日常生活に入り込む情報にナッジのフレームを活用していくことで、これまで動かすことができなかった層へのアプローチへの活用が期待される。
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