研究課題/領域番号 |
19H03969
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
坂口 千鶴 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (60248862)
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研究分担者 |
清田 明美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (00734641)
千葉 京子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (40248969)
逸見 功 日本赤十字看護大学, 看護学部, 名誉教授・非常勤講師 (50173563)
筒井 真優美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 名誉教授・客員教授 (50236915)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 急性期病院 / 認知障害 / 高齢患者 / 看護師 / 倫理的苦悩 / 教育的支援プログラム / 高齢者 / 倫理的な苦悩 / 教育支援プログラム / 急性期ケア / 自己への認識 / 意思決定への認識 |
研究開始時の研究の概要 |
急性期病院において、認知障害のある高齢患者の看護に携わる看護師を対象に、倫理的な苦悩を自らの主体的な意思決定能力の向上へと活かす教育支援プログラムを企画、実施し、そのプログラムの効果を倫理的な苦悩、自己の認識、意思決定への認識の視点で明らかにする。その結果を踏まえて、WEBシステムを用いて認知障害のある高齢者の看護に携わる看護師の教育支援プログラム開発の一助にしたいと考える。
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研究実績の概要 |
研究目的:急性期病院で認知障害のある高齢患者に関わる看護師を対象に、臨床の場での教育支援プログラムを実施し、その効果を倫理的な苦悩、自己の認識、意思決定への認識の視点で明らかにする。 研究方法:①研究対象者は、急性期病院に勤務する臨床経験3年目以上の看護師40名程度。②募集方法は、首都圏の急性期病院4ヶ所の看護管理者に依頼して、倫理審査の承認を得た後にポスター等で募集を行った。その後、研究参加への同意を得た研究対象者に対して、2020年11月から2021年3月にかけて5回に渡る「高齢者看護コース」を実施した。対象者については、無作為で対照群(講演会2回に参加)、介入群(講演会2回、グループワーク2回、発表会の5回に参加)に分けた。 研究の結果:①研究対象者は13名で、対照群7名、介入群6名で開始したが、最期の第5回の発表会に都合で参加できなかった者1名であった。②対象者の属性は、男性1名、女性12名で、平均年齢33.3±8.3歳、平均臨床経験9.8±8.3年であった。教育的背景は、専門学校卒7名(53.8%)、短期大学卒1名(7.7%)、大学卒5名(38.5)で、現在の部署は外科系2名(15.4%)、内科系6名(46.2%)、混合科3名(23.1%)、その他2名(15.4%)であった。勤務病棟における高齢患者の割合について7割以上が12名(92.3%)、認知障害のある高齢患者の割合については5割以上が9名(69.3%)であった。③コース開始前の対象者の倫理的悩みは77.5±37.4、自己認識は46.5±5.5、専門職的自律性は118.2±20.5と、3尺度ともに中程度の測定値であった。属性とともに介入群と対照群で有意な差はなかった。④開始前後での変化については、現在第2回目の質問紙のデータを分析中で、6月には第3回目の質問紙によるデータを収集し、修了後3ヶ月の変化を分析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の2年目である2020年には、高齢者看護コースの研修会の内容を検討し、企画書の作成、ホームページの作成、それらに基づいた各医療機関への募集等を行った。募集した対象者に11月から翌年3月までの間に5回の講演会、グループワーク、発表会をオンラインで実施することができ、当初の計画に沿った形で実施できている。しかし、4ヶ所の急性期病院の3年目以上の看護師2000名程度を対象に参加を募ったにも関わらず、実際に研究参加にご協力頂いた方は13名であった。当初想定していた対象者40名には程遠く、3分の1にも満たない人数となった。昨年度から新型コロナウィルス感染拡大に伴い臨床の現場が非常に緊迫した状況の中で、今年度研究の推進に向けて研究対象者をどのように募集していくのかが大きな課題となっている。
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今後の研究の推進方策 |
1.研究対象者とその募集について(2021年6月~9月):研究対象者は、昨年度依頼した急性期病院4ヶ所を含めて、必要であれば3ヶ所程度急性期病院を増やし、さらにホームページを用いて広報を行い積極的な募集を行っていく。最終的に40名(介入群20名、対照群20名)に達するようにする。 2.プログラムの実施内容(2021年10月~2022年2月):高齢者看護コースについては、昨年度と同様の内容で進める。第1回目は認知障害のある高齢患者の倫理的課題について、第2回目は認知障害のある高齢患者の事例を通して倫理的視点も含めてグループワークを行い、第3回目では自らの関わりを振り返るグループワークを行う。第4回目では認知障害のある高齢患者の倫理的課題に関する講演会を行い、第5回目で事例検討の結果を踏まえ、各自の事例への看護について自らの課題も含めて発表する。対照群の対象者は第1回と第2回の講演会に参加し、介入群の対象は5回すべてに参加する。各参加者への連絡、資料の提示方法等については、参加者が自由に活用できるようホームページの改善を図る予定である。 3.データ収集について(2021年9月~2022年2月):データ収集については、看護師の倫理的な苦悩を測定する道徳的苦悩尺度修正版(JMDS-R)、自己の認識を測定する日本語版自己超越尺度(JSTS)、主体的な意思決定を測定する看護の専門職的自律性尺度、研究対象者の属性、自由記載で構成される自記式質問紙を用いる。データ収集の時期としては、高齢者看護コースのプログラム前後と3ヶ月後の3回実施する予定である。 4.データ分析について(2021年9月~2022年7月):統計ソフトSPSS24を用いて、記述統計量、t検定、カイ二乗検定、分散分析方法である。研究対象者を介入群と対照群に分け、上記の3尺度を用いてプログラム参加前後と修了後3ヶ月後で測定する予定である。
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