研究課題/領域番号 |
19H03973
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
吉田 晃敏 旭川医科大学, その他, 学長 (70125417)
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研究分担者 |
服部 ユカリ 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00272899)
大田 哲生 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20233132)
竹川 政範 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50216876)
田崎 嘉一 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60374807)
盛一 健太郎 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70455715)
藤谷 幹浩 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80322915)
山根 由起子 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80745282)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 遠隔医療 / リアビリテーション / IoT / ICT / 転倒予防遠隔リハビリテーション / リハビリテーション / オンライン診療 / 介護システム |
研究開始時の研究の概要 |
急速な高齢化により在宅医療をベースとした介護の充実が重要となっているが、国土の45%を占める医療過疎地域では医療資源や移動手段の不足により、十分な介護支援にもとづいた在宅医療を続けることは困難である。近年、遠隔医療技術やIoT・ICT技術が離島などの医療現場に導入されているが、介護分野における有用性は示されていない。本研究では、医療過疎地において、遠隔医療技術やIoT・ICT技術を在宅医療に導入することで積極的な介入を行い、その有用性評価をもとに医療過疎地域型の標準介護モデルの確立を目指す。また、研究過程で得られる多量の介護データを基に、個別介護モデルの構築に資する基盤データを獲得する。
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研究実績の概要 |
日常療養に関する遠隔医療及びICT/IoT活用の有用性について主に遠隔転倒予防リハビリテーション(リハビリ)について検討を行った.遠隔転倒予防リハビリでは高齢者施設入居者82名に対して,リハビリ専門医が作成した安全域を十分に確保した基準により9名の参加者を抽出した.介護職員には事前に看護師と理学療法士からリハビリの講習会を遠隔医療を用いて行い,その理解度を講習前後でテストを行い評価した.参加者に対してリハビリ前後で看護師によりBBS,TUG,HHD,MMSEを測定した.医師および理学療法士がIoT機器でバイタルサインをモニターしながら遠隔医療を用いて3カ月間定期的にリハビリを行うとともに,自室での運動メニューも作成,実行することとした.BBS,TUGは測定できた8名中4名で,MMSEは9名中5名で,HHDは右は全員,左は9名中5名でそれぞれ改善を認めた.また,職員の理解度は講習の前後で有意に向上した.この結果は英文誌に報告した (Moriichi k, Fujiya M, et al. Medicine (Baltimore), 2022 Feb 11;101(6):e27451).この結果を基に支援群17名,非支援群13名として3か月間遠隔転倒予防リハビリを行い前向き検討したところ,BBSとMMSEについては支援群で有意な改善を認めた.また,非支援群を対象に同様に3か月間の遠隔転倒予防リハビリを行ったところ支援後にBBSが有意に改善した.MMSEも有意差はないものの改善傾向を認めた.さらに職員43名に対して,転倒予防リハビリについて遠隔講習を行い,理解度テストを講習前後で行ったところ,有意に理解度テストの点数は向上した.この他,遠隔嚥下リハビリは入居者67名中8名に対して遠隔医療を用いて,リハビリを行ったところKTチャートによる評価では6名中2名で改善を認めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
おおむね順調に経過していたがコロナ禍の影響により,看護師や職員といった外部の人間の高齢者施設への立ち入りが厳しく制限されてしまった.このためリハビリテーションの際には安全確保のため介護職員とともに看護師が必ず介助していたが,コロナの状況により不可能となってしまうことが頻回にあった.さらにIoT機器や遠隔医療機器の設定をするための職員も同様に施設に入れないためにこれらの使用が困難となってしまったため,結果としてやや遅れている状況となった.
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今後の研究の推進方策 |
前向き研究においても遠隔転倒予防リハビリテーションの有用性は認めた.今後はさらに研究を進めるとともに,企業などとの連携も視野に入れて研究を継続する.嚥下リハビリについても症例数を増やすとともに前向きに検討を行っていく予定である.降圧薬や便秘薬,睡眠関連薬剤の高齢者に対する適正投与についての検討も,基礎データの収集やプラットフォームの作製などが行われているため,各薬剤に関してさらに症例数を増やすとともに,関係科との連携のもとIoT・ICT活用により研究を加速していく.
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