研究課題/領域番号 |
19H03994
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松井 崇 筑波大学, 体育系, 助教 (80725549)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 運動 / 疲労 / 脳 / 乳酸 / グリコーゲン / 持久性運動 / 脳グリコーゲン / 中枢疲労 |
研究開始時の研究の概要 |
運動時の疲労はアスリートにとって克服すべき憎いものであるが、過活動を防ぐ生体防御機構でもある。しかしながら、持久性運動時の中枢(脳)疲労の神経機構については不明な点が多い。本研究は、最新のスポーツ神経生物学的手法を用いて、持久性運動時の中枢疲労を形成しうる脳内貯蔵糖質「グリコーゲン」の役割解明を目指す研究である。
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研究成果の概要 |
運動時の疲労は末梢性と中枢性に分けられ、それぞれ研究が進められているが、未だその統合機構やそれに基づく疲労の存在意義は不明確である。本研究では、疲労運動の動物モデルを用いた乳酸受容体の作動による先端スポーツ神経生物学実験により、脳グリコーゲン由来乳酸が運動時の脳でエネルギーとなりながら、抑制シグナルとしても働き、中枢疲労を形成する可能性を初めて明らかにした。この成果は、疲労は克服すべき憎いものである一方、過活動を防ぐ生体防御機構でもあることを支持するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
疲労はアスリートはもちろん、多くの人々の日常生活でも生じ、克服したい憎い存在と考えられがちである。しかし、裏を返せば、疲労はオーバートレーニングや過活動を未然に防いでくれるアラートとして働くとも理解できる。本研究では、疲労運動の動物モデルにおける神経シグナル操作により、疲労を生み出す脳機構の一部に乳酸が関与し、脳のエネルギーとなることで脳を保護しながら、神経の抑制信号として心身の活動を抑える可能性を明らかにした。この成果は、上述の二面性がどちらも疲労の本質であるという前提を支持し、健全な疲労の予防・克服方策開発の道を開くものである。
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