研究課題/領域番号 |
19H03998
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
片山 敬章 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (40343214)
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研究分担者 |
石田 浩司 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (50193321)
小河 繁彦 東洋大学, 理工学部, 教授 (80553841)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | 動的運動 / 筋交感神経活動 / 血圧 / 心肺圧受容器反射 / 筋ポンプ作用 / 循環調節 / 血管運動神経活動 / 運動 / 動脈血圧 / 心肺圧受容器 / 血圧調節 / 筋交換神経活動 |
研究開始時の研究の概要 |
運動時の動脈血圧の上昇は,活動筋への血流量(酸素運搬)と,脳や心臓など生命維持に不可欠な臓器への血流を維持することに貢献する.これまで我々は,筋ポンプによる静脈還流量の増加が心肺圧受容器を刺激し,血管運動神経活動を抑制することを明らかにした.この結果は,筋ポンプによる心肺圧受容器刺激が,血圧が過度に上昇しないように末梢血管抵抗を調節することを示唆する. 本研究ではこれまでの研究成果をさらに発展させ,特に高齢者において,運動時の血圧上昇に対する筋ポンプ機能および心肺圧受容器機能の影響を明らかにし,運動時の血圧調節メカニズムのさらなる解明を目的とし研究を進める.
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研究成果の概要 |
運動時の血圧調節には血管運動神経活動が重要な役割を果たす.自転車エルゴメータを用いた低強度の運動では血管運動神経活動(筋交感神経活動)が抑制され,強度の増加に伴い血管運動神経活動は増加することが知られている.しかしながら,この調節メカニズムはいまだ明らかにされていいない.我々は,静的ハンドグリップ運動および運動後阻血と自転車エルゴメータ運動を組み合わせることで,低い運動強度での血管運動神経活動の抑制は筋ポンプによる静脈環流の増加が心肺圧受容器反射によるものであること,高い運動強度では骨格筋の代謝受容器反射による血管運動神経活動の賦活が心肺圧受容器反射による抑制を減弱させること,を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高強度運動時において,骨格筋由来の代謝受容器反射を介した血管運動神経活動の賦活が,心肺圧受容器反射による血管運動神経活動の抑制を減弱することは,非活動部位での末梢血管収縮により活動筋へ優先的に血液(酸素)を運搬することに貢献する.しかしながら,近年の研究において,慢性心不全患者や2型糖尿病患者では,低運動強度においても血圧が過度に上昇することが報告されている.この原因は不明であるが,骨格筋の代謝受容器反射の増大あるいは心肺圧受容器反射の感受性低下による血管運動神経活動の調節不全が,過度な血圧上昇に関係しているかもしれない.これらの点についてはさらなる研究が必要である.
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