研究課題/領域番号 |
19H04002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
大谷 直子 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50275195)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2021年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2020年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 運動 / 臓器連関 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、規則的で適度な運動が、がんの予防やがんの進展抑制に有効であることが示唆されているが、その分子メカニズムは十分にはわかっていない。申請者らはマウスモデルを用いて、脂肪肝を素地とする非ウイルス性肝癌の発症が、毎日の規則的な運動により、体重は変化しないにもかかわらず、有意に抑制されることを見出した。運動による肝癌形成抑制の分子メカニズム解明の手がかりとして、臓器連関を担う可能性がある血中のマイオカイン、ホルモン、メタボライトを調べる。さらにこれらの物質による影響や、組織のエネルギー代謝の変化にともなう肝臓の微小環境の変化等に着目し、規則的な運動による臓器連関を介した肝癌抑制の機構解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究においてはメタボライトの変化に着目し研究を実施した。まずBAIBA(beta-aminoisobutyric acid、βアミノイソ酪酸)の変化を捉えるべく、運動群、非運動群の血清、骨格筋を用いてメタボローム解析を実施した。残念ながら、BAIBAは検出以下であった。しかし、この解析でトリプトファン代謝物のキヌレニンが、運動で減少していることを捉えることができた。一方、マイオカイン・アイリシンについても有意な増加は認めなかった。予定した実験を実施したが、今後は運動によるトリプトファン・キヌレニンの変化に着目し、臓器における代謝酵素の変化や、がん微小環境の変化に関する検証を行う予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者らは先行研究で高脂肪食による肥満により、脂肪肝を素地とする肝がんが進展する機構を明らかにした。次なる課題はいかにして肝がん発症を予防できるかである。その着眼点として、本研究では「適度な運動」が肝がんの進展に及ぼす影響に着目した。運動はがん予防に役立つと言われているが、その分子メカニズムの詳細は十分にはわかっていない。本研究では、毎日の規則正しいランニングが、肝がんの進行を遅らせることを証明し、運動により変化するメタボライトを同定した。今後、そのメタボライトの代謝経路をマニピュレートすることで、肝がんの進行を予防できる薬剤の開発につながる可能性がある。
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