研究課題/領域番号 |
19H04004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
齋田 良知 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (00534885)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 多血小板血漿 / スポーツ外傷 / 関節炎 / 再生医療 / 変形性関節症 / 成長因子 / バイオマーカー / 組織再生 / 組織修復 |
研究開始時の研究の概要 |
スポーツ選手が多血小板血漿(PRP)療法をうけたとの報道をよく耳にする。PRPは、自分の血液を遠心分離し調製した血小板を多く含む血漿を患部に注射する低侵襲新規治療で、PRPに含まれる成長因子などが組織修復や除痛効果をもたらし傷んだ組織の修復を促進する。PRPは自己由来のため副作用がほとんどないが、その質は個人ごとに異なり治療効果も個人により異なる。 本研究では、運動器外傷・障害に対するPRP療法の有効性を左右する因子を明らかにするために、PRPの質の評価を行うとともに効果の判定を主観的な評価だけでなく客観的評価も加えて行い、より奏効率の高いPRP療法を確立することを目標とする。
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研究成果の概要 |
スポーツ外傷・障害に対する新規低侵襲治療として注目されている多血小板血漿(PRP)療法であるが治療効果を左右する因子は不明な点が多かった。当研究では幾つかの予後規定因子を同定した。 517名の患者でPRP中の血小板数が治療効果に影響を及ぼすかどうかを検討したが、影響していなかった。しかし、血小板の中でも幼若で活性が高い血小板(幼若血小板)の比率が高いほどPRP療法の効果が高く、血小板の数ではなく質が効果を規定することを示した。また、関節炎へのPRP療法は関節液中の炎症物質(TNF-α)や軟骨分解酵素(MMP3)を低下させ、関節軟骨破壊産物である尿中NTX-2も低下させることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでPRP療法の効果を規定する因子は不明であった。我々は、PRPの質(含まれる成長因子やサイトカイン)が個人ごとに異なることを明らかにし、PRP療法の効果は血小板の数ではなくPRPの質による影響が高いことを明らかにした。このことがより効果の高い新規PRP調製法の開発に繋がれば、運動器疾患に悩む人々の治療開発に貢献できるものと考える。
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