研究課題/領域番号 |
19H04010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
井澤 鉄也 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70147495)
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研究分担者 |
小笠原 準悦 旭川医科大学, 医学部, 客員講師 (20415110)
加藤 久詞 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌代謝高血圧研究部, 研究員 (30780275)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 脂肪由来幹細胞 / adipogenesis / アミノ酸 / 運動トレーニング / 高脂肪食 / mTOR / ERK / プロテオーム解析 / 運動 / 高脂肪食摂取 / RNAseq / 肥満 / ロイシン / Sestrin2 / Girdin / オートファジー / 脂肪組織 / 分岐鎖アミノ酸 / 細胞内アミノ酸代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満を基盤とするメタボリックシンドロームは,脂肪組織の炎症に伴う成熟脂肪細胞の脱分化と形質転換による「脂肪組織リモデリング」が原因とされている(脂肪細胞中心仮説)。しかし,分化能に異常をきたした脂肪由来幹細胞が脂肪組織にプールされると,正常な機能をもたない脂肪細胞が新生されるため,脂肪組織を構成する細胞の質や状態(cellularity)が破綻し,こうした脂肪組織のリモデリングは,脂肪細胞中心仮説で説明することが出来ない。本研究は,脂肪由来幹細胞の細胞内アミノ酸代謝に着目し,脂肪細胞中心仮説のみでは説明できない脂肪組織リモデリング機構,ならびに運動療法の分子基盤を解明するものである。
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研究成果の概要 |
アミノ酸を介したシグナル伝達系に着目し,運動トレーニング(TR)が影響する脂肪由来幹細胞(ADSC)の分化制御機構を明らかにした.TRはPPARγタンパク質発現の低下を伴ってADSCの脂肪分化を抑制した.この時,L-ロイシンに対するSestrin2やmTORC1のタンパク質発現がTRによって変化していた.しかし,このTRに対する応答は皮下脂肪組織と内臓脂肪組織のADSCで異なっていた.特に皮下脂肪組織由来のADSCから分化させた脂肪細胞において,分岐鎖アミノ酸の分解経路のdown-regulationがエンリッチメントされていることがバイオインフフォマティクス解析によって明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂肪組織の成熟脂肪細胞は一定の割合で細胞死を起こし,脂肪由来幹細胞が新しい脂肪細胞を補充することで,脂肪組織を構成する細胞の質や状態(cellularity)を維持する.そのため,脂肪由来幹細胞の分化機構に与える過栄養や運動の効果を明白にすることは,この分野の研究に大きなブレイクスルーをもたらす.本研究は,運動療法による脂肪由来幹細胞の脂肪分化能の制御機構はアミノ酸の修飾を受けている可能性を強く示唆し,肥満の運動療法の背景にある分子機構の解明を大きく前進させるものである.加えて,本研究はアミノ酸に着目した新しい運動療法の構築に重要な学術的知見を提供し,その社会的意義も大きい.
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